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ベンチャー(VB)に個人で資金を出すエンジェル投資家が増えている。IT(情報技術)・ネット事業で成功した30、40代の起業家が投資し、経験を基に助言する。後進の起業家を創業期から支援するサイクルが日本でも回り始めた。ベンチャーキャピタル(VC)と並び、VBのエコシステム(生態系)の一翼を担う存在となりつつある。

人工流れ星開発

小さな潜水艇のような真空タンクの中で、直径1センチほどの玉を秒速60メートルで打ち出す。人工流れ星を開発するALE(エール、東京・港)がJR和歌山駅から車で約20分の住宅地にある工場で進める実験の一場面だ。実際の宇宙では人工衛星から発射した玉が大気圏で燃え人工の流れ星となる。花火のようにイベントでの利用を想定し2018年の実用化を目指す。

創業者の岡島礼奈社長(38)は東京大学で天文学の博士号を取得。ゴールドマン・サックス証券を経て「人工流れ星は宇宙の基礎研究にも役立つ」との思いから11年にエールを設立、15年4月に本格始動させた。

ところが、世界で前例のないビジネスへの理解を得るのは難しく資金が集まらない。岡島社長は「多くのVCから投資を断られた」と振り返る。

救いの手を差し伸べたのがエンジェル投資家だった。16年12月までに計7億円を調達し、当面の開発費に充てている。個人で投資した米系運用会社ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント社長の桐谷重毅氏(54)は岡島社長の元上司で「夢のような事業を手助けしたい」と話す。

エンジェル投資家の存在感が国内で増している。経済産業省によると、エンジェル税制を使った投資額は15年度に25億円と過去最高を更新した。エンジェル税制は書面の手続きが煩雑でメリットも小さいなどとして利用しない投資家も多く、「実際の投資額は数百億円に上る」と同省の石井芳明新規事業調整官はみる。国内VCの年間投資額1302億円を追いかける状況だ。

けん引役は00年以降に起業し新規株式公開(IPO)や会社売却で大きな利益を上げた30、40代の起業家たち。自らの経験を生かし、ベンチャーの評価が定まらない創業期に資金の出し手となる。VCと異なり個人の判断でリスクを負って投資できる。

資金面だけではない。自らの起業経験を投資先に伝えられるのもエンジェル投資家ならではだ。創業前から具体的な助言でベンチャー経営者を支える。

「ウェブマーケティングをするにはどうしたらいいか」。東京・田町のオフィスビルの一角。有力VBに成長した家計簿アプリのマネーフォワード(東京・港)創業メンバー、滝俊雄取締役(35)は深刻な表情で相談していた。

相手は習い事仲介サイトを運営するコーチ・ユナイテッド(東京・渋谷)創業者の有安伸宏氏(35)。滝取締役とは大学時代の同級生で、マネーフォワード創業初期に数百万円を投資した。滝取締役は「起業経験者の知識やノウハウは大きい」と信頼を寄せる。

有安氏はユニリーバ・ジャパンを経て07年にコーチ・ユナイテッドを起業。13年に全株式を料理情報サイトのクックパッドに売却して個人投資を始めた。「ネットビジネスは勝利の方程式があり、つまずくところはどの起業家も同じ。私が助言することで落とし穴を回避できる」。マネーフォワードのほか、母親向け相談アプリのコネヒト(東京・港)など約30社に投資している。

元コロプラ副社長の千葉功太郎氏(42)は年2回、投資する約40社のVB関係者を集めた合宿「千葉道場」を開く。経営について勉強するだけでなく、共通の課題や今後の成長について議論を重ねる。千葉氏は「起業家は孤独。悩みを相談できる仲間をつくることが目的だ」と説明する。

VCのようなファンド運用の期限がないため、出口戦略を急がず長期的な視点でVBを支援できる強みもある。ソフト開発のNOTA(ノータ、京都市)は07年の創業。経営危機を何度も乗り越え、画像や文書の共有サービス「ギャゾ」が世界で850万人に使われるまでに成長した。創業から資金を提供し続け、陰で経営を支えたのがディー・エヌ・エー(DeNA)共同創業者の川田尚吾氏(48)だ。

失敗許容の文化

川田氏は「エンジェルは自己責任のため投資の自由度とスピードが違う」と言い切る。

米国のエンジェル投資額は年3兆円規模に上る。VCが投資に二の足を踏む独創的なアイデアにも資金を出し、失敗を許容する文化が根付く。米配車アプリ大手ウーバーテクノロジーズの創業者も3度目の起業で成功をつかんだ。

エンジェル投資家が増えれば、起業のエコシステムは強固になる。日本のVCには年金基金などの安定した機関投資家による投資が少ないため、08年のリーマン・ショック後はVB投資額が大幅に落ち込んだ。VC頼みでは今後も金融情勢や株価で投資額が大きく左右されるリスクを抱える。

なぜエンジェル投資家は一生生活に困らないほどの巨万の富を築いたにもかかわらず、わざわざ手間のかかる後進の育成に携わろうとするのか。千葉氏は「投資のリターンを得るよりも自分がお世話になった業界に恩返しがしたい」と話す。他人を思いやる「ペイ・フォワード」の精神が起業家育成のサイクルを回している。

本田氏が数億円

「プログラミングを通じてみなさんの夢がかなうのを祈っています」。2016年12月のクリスマス。教育ベンチャー(VB)のライフイズテック(東京・港、水野雄介社長)が都内で開いた中高生向けプログラミング教室でサッカー日本代表の本田圭佑選手のビデオメッセージが流れると、700人の参加者から歓声が上がった。

実は本田選手はライフイズテックに投資する個人投資家の1人。16年8月に米国でKSKエンジェルファンド(カリフォルニア州)を設立した。ファンド規模は自己資金で数億円。パートナーを務める中西武士氏は「本田は教育をライフワークとしている。次世代に有益な事業をしているベンチャーに対し1社当たり500万円程度、月1件のペースで投資していきたい」と説明する。

サッカー日本代表の本田選手が投資するプログラム教室運営ベンチャー、ライフイズテックの授業

エンジェル投資家は起業経験者だけではない。スポーツ選手や芸能人など異なる業界で成功した人にも裾野が広がってきた。お笑いコンビ、ロンドンブーツ1号2号の田村淳氏は個人のネットショップ開業支援のベイス(東京・渋谷、鶴岡裕太社長)など4社ほどに投資。お笑いタレントの「厚切りジェイソン」として知られるジェイソン・ダニエルソン氏はIT(情報技術)企業テラスカイの米国法人副社長をしながら投資活動し、昨年主婦向け情報サイト運営のウィルゲート(東京・渋谷、小島梨揮社長)に出資した。

成功者への批判

VBにとって有名人から出資を受けることは広告面で利点が大きい。ライフイズテックの水野社長は「本田選手効果で様々なメディアに取り上げられ、多くの人に知ってもらえた」と話す。今後は本田選手が運営するサッカー教室との連携を深める考えだ。

米国ではハリウッドスターや有名スポーツ選手によるベンチャー投資は一般的。革新を生み出す「セレブ投資家」として若者から尊敬される存在となっている。成功例では俳優アシュトン・カッチャー氏が有名で民泊仲介大手のエアビーアンドビーなどに投資し、巨額の収益を得ている。元プロバスケットボール選手のコービー・ブライアント氏は引退後に1億ドル(113億円)規模のファンドを立ち上げた。

日本では投資活動を公言する有名人が少ないのは「成功者がさらにもうけようとしている」という批判を恐れているからだという指摘がある。資産を寝かせず、若い起業家に投資をすることで新しい産業を生み出していく。そのために投資に対する認識を改める金融教育が求められている。

考え方に刺激受ける ロンブー・田村淳氏

きっかけは政財界の人とラジオ番組を始めたことだった。政治家や起業家と会うようになり、ものの考え方や思考の速さが大きな刺激になった。

実はテレビ業界は古い感覚の人が多い。我々は情報を発信する側なので新しい感覚を持たないと取り残される。起業家と会うのは楽しい。今では芸能界の人とは一緒に食事に行かなくなった。

5?6年前に起業家の家入一真さんからベイスへの投資を誘われた。その前に株で失敗していたので最初は後ろ向きだった。だがベイスのサービスが広がれば誰でも簡単にネットショッピングができる時代になる。私が出すお金で若い起業家が奮い立って世の中を変えるなら、銀行に眠らせるより意義があると投資を決めた。投資先には「私のことを利用してください」と伝えている。ツイッターでのつぶやきなど協力はいとわない。

日本の芸能界で投資を公言している人はあまりいない。だが既得権益を守り続けるばかりでは新しいものを生み出せないだろう。テレビが衰退しているのは若者に文化を提供できていないからだ。そこに風穴を開けたい。そのためには絶対に成功しないといけない。

投資家の人間性見極め 仮屋薗聡一氏

ITブームで成功した日本のエンジェル投資家はソフトバンクグループの孫正義さんが第1世代。第2世代は楽天の三木谷浩史さんやサイバーエージェントの藤田晋さんで、第3世代はミクシィの笠原健治さんら「ナナロク世代」だ。

最近は13?14年に成功した第4世代が育っている。起業家育成という視点でみると、お金より経験に裏付けされた助言を受けられることが大きい。

セレブ投資家と呼ばれる芸能人など異業界の投資家も目立つようになった。有名人から投資を受けることの最大の利点はその人の広報力を生かせること。多くのベンチャーは無名で、テレビCMを流すだけで数億円が必要だからだ。

セレブ投資家から投資を受ける際は信頼できる人間かを見極める必要がある。

(日経電子版より)

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25歳で広告代理店を起業。2008年に41歳でGMOインターネットグループに売却した後、東南アジアへ拠点を移し新たなスタートを切った加藤順彦。現在は19社に参画するエンジェル投資家として、日本の未来の発展を支える起業家たちの育成に力を注いでいます。そんな彼が出資する経営者とはどんな人なのでしょうか。

Jetstarでカンボジアに向かう最中、シンガポールのチャンギ国際空港でお話を伺いました。

ライブドアショック後、シンガポールでエンジェル投資家に

私は25歳で起業して、2008年、41歳まで16年間広告代理店を経営していました。会社を辞めたきっかけは2006年1月のライブドアショック。インターネット系企業の株が全部大暴落したんですよ。

その煽りを受ける形で僕の会社も倒産しかけたとき、GMOインターネットグループさんとの買収のお話がまとまりました。このままでは倒産も視野に入れかねない時期だったので、GMOさんから救済措置を受けたような状態ですね。

ただ、日本のITベンチャーが総崩れとなったことには変わりません。これまでビジネスの相手であった彼らが世間から否定され、僕自身の頑張りも同様に否定されたように思い、非常に大きなショックを受けました。

シンガポールで再起を図る

このままではまずいと感じて考えたのは、東南アジアへの移住。場所を移すことで、別の希望を見つけようと思ったんです。

なぜ東南アジアかというと、当時世界の一流企業たちがこぞってアジアを目指していたからですね。事実、当時アメリカで「ビッグ5」と呼ばれていたAmazon、Yahoo!、Microsoft、Google、e-Bayの中国を除くアジアの本部は、みんなシンガポールにありました。立地の問題や国が企業の誘致に力をいれていたためです。ビジネスが集まっている場所にはチャンスがあると考え、2008年にシンガポールに移ろうと決めました。

19社の資本と経営に参画

今はシンガポールを拠点に、東南アジアで起業する日本人の事業の資本と経営に参加していて、自分ではエンジェル“事業”家と呼んでいます。単なる投資家ではなく事業そのものに関わるのは、そのほうが楽しいから。自分が一緒になって汗をかいてお金儲けをしたい、利益を出したいと思える会社に自分で資本参加して、ボードメンバーに入れてもらっています。

今参画している19社。僕は役員会や経営会議だけ参加して、19社のうち半分以上は月に1回以上社長とミーティングをしています。経営課題ってだいたいヒト・モノ・カネのどれかなんですよ。参画したら基本的にどう考えるべきなのかというところから社長と一緒に考えています。

椅子が増えていく椅子取りゲームに参加できることが魅力

シンガポールは人口約550万人(※2015年6月現在)と内需が非常に小さい国です。一方で観光客は延べ人数で約1200万人(※2014年現在)。日本人の場合、ターゲットにしやすいのは日本人です。そのため、ビジネスのターゲットはシンガポール人よりも日本人観光客や3.5万人の日本人在留者のほうが当初はやりやすいでしょう。

日本人を対象にするならなぜわざわざシンガポールに行くのかと思うかもしれません。でも、ビジネスをするうえで大切なことはどこに成長があるのかということです。東南アジアやインドは毎年10%というものすごい勢いで成長している、世界でもほぼ唯一の場所。しかもそれが今後10年続くと言われています。すでにあるパイを取り合う椅子取りゲームではなく、椅子そのものが増える椅子取りゲームに参加出来る可能性があるのは魅力的ですよね。

どんな商売をすればいいかという判断基準はふたつあります。ひとつは自分がやりたい仕事。もう一つは成長出来る仕事。今の日本で言うと、インバウンドや高齢化産業はものすごい勢いで成長しています。僕は起業家の皆さんに「好きな商売なのか、伸びる商売なのかどっちですか?」と聞きます。この問いには正解がありません。しかし、どんな商売で誰がお客さんとなるのか、といったことは常に社長と話しながら一緒に解を求めていく作業を日々やっています。

エンジェル“事業”家の考えるシードで成功する条件とは?

一般的にスタートアップにはいくつか段階がありますが、今参画している19社のほとんどは事業としてまったくゼロの段階かシードというごく初期の段階で参画しました。会社設立前から社長と話し合い資本構成、本社地、会社名などを考えるケースもありますし、シードならお金をどういう名目で、誰から、どれくらい集めるかという、資本政策から一緒にやっています。
シードとは

ベンチャー企業における成長ステージのうち、会社設立前の準備段階または会社設立直後の最初期を指す。ビジネスの構想やアイデアを事業化するために、企業や起業家が開発や調査などを進めている段階であるケースが多い。

初期メンバーの3人にビジョンが共有されていること

なぜ初期段階にこだわるかというと、最初のメンバー集めがすごく大事だから。最初の3人に社長のビジョンやなぜこの商売か、会社を興した意味とかがきちんと伝わっているチームは強いです。チーム作りが出来ていれば、意思決定のスピードも早いですからね。

スタートアップやベンチャー企業では、どんどん状況の変化が起こります。そのため、社内メンバーのコンセンサス、つまり会社のムードや仕組みが整っていることが大切です。意思決定が早くて、「社長がこう言っているからそうしよう」とか、あるいは社長がみんなの同意を取るための仕組み作りが上手く出来ている会社はスピードが早いですよね。

経営者が視座の高さと志を持つこと

僕が出資や参加を決定する上で一番見ているのは、経営者の視座、つまりその人の志です。僕は長い間、広告代理店を経営していました。広告代理店は、出来たばっかりのよく分からない会社に売掛を作っていく商売。ビジネスが確立していない状態で投資をおこなうようなものです。

今やっていることも同じ。だからこそ、どのような問題解決をして、どのような人たちに幸せになってもらいたいのかという、起業家の思いの強さを見極めます。たとえ売掛を回収できなくても後悔しないか、というポイントも意識して、投資の是非を考えるんですよ。

「カンボジアの人へ働く喜びを与えたい」という思いに心を打たれた

僕の参画している「AGRIBUDDY」という会社の北浦社長は、カンボジアでスマートフォンを使った農業の生産管理システムを提供しています。今注目のアグテック(農業テクノロジー)ですが、彼はアグテックがイケてるからアグテックをやっているわけではありません。

カンボジアはGDPの40%が世界の国々からの寄付です。ほとんどのカンボジア人が農民なんですが、働かなくても食っていけるから発展せず他にやる仕事もない。生活を寄付に頼ってしまっているカンボジア人に、働く喜びや、ITを使って農業をもっと楽しく便利にできることを知ってもらいたいという想いからこれをやっています。

僕はそういうマインドに打たれて経営に参加することを決めたんですよ。

解決したい問題を考える経営者に味方をしたい

僕が出資して過去に上場した9社のうち7社は、僕が出資したときから上場したときで事業内容が変化しています。各論で商売の内容が変わっても、商売を通して達成したい夢や目標がぶれなければ、ピボットは容易ですよね。スタートアップはピボットが当たり前だと知っているから、実は各論にあまり興味ないんです。

エンジェルに味方してもらうのに一番大事なのは、どんな問題意識を持ち、どんな社会の問題を解決したいのか、を真摯に伝えることだと思います。

実績も社歴もないスタートアップに対して、仕事を発注しようという人、投資を検討する人はそこを見ています。大事なのはどんな商売をおこなうかよりも、経営者のビジョンなんですよ。

加藤順彦

エンジェル事業家 LENSMODE PTE LTD
1967年生まれ。大阪府豊中市出身。関西学院大在学中に(株)リョーマ、(株)ダイヤルキューネットワークに参画。1992年、有限会社日広(現GMO NIKKO株式会社)を創業。2008年、同社のGMOグループ傘下入りに伴い退任しシンガポールへ移住。2010年、永住権取得。2015年、マレーシアMM2H(長期滞在)ビザ取得。現在はシンガポールにて日本人の起こす企業の資本と経営に参画している。主な参画先は新興国でのバーチャル農協AGRIBUDDY、IoT家具製造のKAMARQ、採用ソリューションのSMS24/7、ビットコイン事業のビットバンク等。著書に『シンガポールと香港のことがマンガで3時間でわかる本』(明日香出版社) 『若者よ、アジアのウミガメとなれ 講演録』(ゴマブックス)

(経営ハッカーより)

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起業家 兼 エンジェル投資家(起業サポーター)鎌田富久氏

TomyK LTD. 代表・株式会社Moff取締役・鎌田富久/Tomihisa KAMADA 1961年生まれ。愛知県出身。東京大学大学院 理学系研究科情報科学 博士課程修了。理学博士。東京大学在学中に大学院の入学金と授業料を稼ごうと、プログラム技術を活かし、1984年、有限会社アクセス(現・株式会社ACCESS)を共同で設立。その後28年にわたり同社を牽引し、2001年に東証マザーズに上場。2011年、50歳を機に退任し、これまでの経験を活かし、スタートアップを支援するTomyKを2012年に設立。株式会社ACCESS共同創業者・前CEO。株式会社Moffの取締役にも就任し、共に『Moff Band』発売を迎える。

プラットフォームとしての『Moff Band』の可能性、社会人
経験、家族ありの高萩さんの可能性に「エンジェル投資」。

高萩さんと初めて会ったのは、昨年東京大学でやったピッチコンテスト。私も審査員の1人として参加していました。そこで『Moff Band』(の初期の試作品)も、初めて目にしました。本人たちは知らなかったと思いますが、『Moff Band』は審査員の間で賛否両論だったんです。

一見ちょっと面白いおもちゃで、「でも面白いだけ」という感じもある。最近のウェアラブルなガジェットって「Google Glass」とか、見た目もテクノロジーが詰まった感じで、値段も数万円するようなものが多いなか、『Moff Band』は、あえて見た目を軽いものにしてましたから。中身の難しさを前面に出さないっていうところが良かったんですけど、逆にそこが軽く見られる部分でもあったと思うんです。

「ちょっと面白いガジェット」として考えてしまえば、そこそこ取り上げられて、ある程度は売れるだろうという感じですが、そうではなくて、これは1つの「スタート」だと思ったんです。こういう新しい、動きを感知するデバイスに、動きに反応する音だったり、ある種普遍的な機能をいろいろくっつける。機能もこれからどんどんアップして行くでしょうし、これから「5年、10年かけてすごい進化をしていくスタート」なんだと考えたんです。

そういう視点で見ると、簡単じゃないですけれど、大きな変革を起こすプラットフォームになる可能性を秘めているなと感じました。その後も話を聞いて、「Kickstarter」に出して世界で勝負したいということだったので、じゃあ一緒にやろうと。ですので『Moff Band』に、いわゆるエンジェル投資をさせていただいたのは、1つは「プラットフォーム」としての可能性を感じたからです。

もう1つは、高萩さんの熱意ですね。スタートアップ(起業)する人で一番少ないのが、実は30代半ばから後半。この年代は、結婚して子どもも小さかったりして、リスクを取りづらい時期に入るんです。本当はベンチャーをやるといい、30代の優秀な人材が、ベンチャーをやっていない。最近ベンチャーが増えているといっても、一番出てこない世代なんです。そういう世代は、相当な思い切りがないとベンチャーなんてできないですし、いざやるからには、絶対頑張るに違いないと思いました。

高萩さんは社会人としての経験も豊かで、家族もできてという状況。それでもスタートアップをやりたいという熱い思いを感じて、これは応援しないといけないなって思ったんです。

「『投資』を受けるというのは、借金よりもある意味ちょっと厳しい。それは、会社の権利を一部持っていただくからです。会社があまり思ったように成長しないと、その会社の何パーセントかは「ベンチャーキャピタル」のものなので、社長を変えたり、事業ごと売却したりして回収するわけです。「ベンチャー投資」をしている人も、出資している人が後ろにいるので、通常5年とか、7年くらいでいったん返すというのが、一応のルールのようになっていますね。『エンジェル投資家』の場合は、利益を出すことが最大の目的ではなく、何らか事業で成功を収めた人が、自分の次の世代を応援する意味合いもあります」(鎌田氏・談)「『エンジェル投資家』を探しなさいって言われても、正直、誰がエンジェルなのか、わかりませんでした。誰ですかっていう感じですよ。でも、よくよく回って、いろいろ会える人が増えると、あの人が実はエンジェル投資をやっていたんだねということがあります。表には出てこないと思いますね」(高萩氏・談)

会社を興し28年。50歳になり、手伝いたいと思ったのが
時間を必要とする、世の中を大きく変えるイノベーション。

私自身が、学部在学中に、「有限会社アクセス(現・株式会社ACCESS)」を設立しました。当時ベンチャーを起業するという考えは、「普通の学生がまず考えない選択肢」でした。アルバイトの延長のような考えで始めた「ACCESS」も、気がつくと28年。とにかく全速力で走り続けたという感じで、50歳のときに退きました。

28年もやったし、自分のやってきたことを活かせる次のことってなんだろうって考えたんです。ちょうど会社を辞めた次の日かなんかに東大で講演をする機会があって、自分は学生のときに起業して、こんなことをやってきたということを「今の東大の学生は、少しは関心を示すだろうか」と思いながら、お話させてもらったんです。すると、けっこうベンチャーに興味のある学生が増えてきていて、皆さんすごく関心を持っている。東大のアントレプレナーを支援する体制も思った以上に進んでいると感じました。そこで、若い人たちのスタートアップを支援することで、自分の経験を活かして、新しいことができるんじゃないかと思って「TomyK Ltd.」を設立しました。現在、10社ほどを支援しています。スタートアップを起業するという選択肢を身近なものにできたらと思っています。

扱う分野は、まさに自分のやりたいテーマに絞っています。今まで自分がやってきたACCESSは、「すべてのものをネットにつなぐ」をテーマにしてやってきたんですが、それがもう広がってきている。1つはロボットだったり、『Moff Band』のような端末だったり、あらゆるものがインターネットにつながっていく、最近の流行り言葉でいえばIoT(Internet of Things)という分野ですよね。インターネットのつながる範囲は宇宙にも広がったので、人工衛星も支援したり。人間を支援するヘルスケア的なものだったり、家庭の中をコントロールするものだったり、IoTという意味では、未来を先取りするようなものばかりを選んでいます。

他にも「人工知能」とか「機械学習」。いろいろなものがつながった先には、知能の部分が重要になって行くので、そうしたベンチャーも支援しています。さらに突き詰めていくと、人間を、ユーザーをもっと理解できるようになる「ゲノム(遺伝情報解析)」のベンチャーも立ち上げ中です。インターネットを活用して、いろいろなものをつなげて便利にする、人間を支援するために「人間を理解する」分野ですね。

エンジェル投資に関しては、特に5年とか期限を区切って考えてはいません。やっぱり本気で世の中を大きく変えるイノベーションを起こすには、ある程度の期間、10年くらいはかかると思うんです。日本にはそういったイノベーションを起こす人が必要で、グローバルに成功する人が出てきてほしいと思っています。

(doda.jpより)

ある日何の前触れも無く一通のメールが我が社宛に届いた。差出人はRon Conway. 一瞬目を疑った。なぜなら彼はサンフランシスコ界隈では最も有名な投資家の1人だからだ。メールの内容は、今度彼が始めるsf.citi();というプロジェクトに参加してくれないか、との事だった。このプロジェクトはテクノロジー系のスタートアップの力を借りてサンフランシスコの街を改善する、というもの。

多くのスタートアップが最先端の技術やアイディアで世の中を良くしようとして頑張っているのに、街の公共施設や規制が時代に追いついていない。そこでスタートアップが力を寄せ合って行政に働きかける事で、この街を”アップグレード” しようという企画。例えば、駐車メーターの利用状況がモバイルで分かる様にしたり、古くなった公衆電話をWi-Fiホットスポットに切り替えるなど。このプロジェクトには以前にインタビューをしたTwitterのファウンダーの1人、Biz Stoneも深く関わっている。もちろん我らbtraxも即日メンバーになった。

その後、関連するスタートアップオープンハウスイベント、OpenCo SFに招待された。そして、このイベントの前夜祭のスピーカーの1人がRonであった。そのような縁もあり、普段は超多忙な彼にインタビューをする事に成功した。現在彼はSV Angelというファームでエンジェル投資家という立場から投資活動を行っている。今回は以前のリード・ホフマンに続く著名投資家インタビュー第2弾。

エンジェル投資家入門編

世の中のイノベーションをより加速させる為により多くのスタートアップが投資を受けられやすい環境づくりを目指している。

ご存じない方の為にエンジェル投資家とはどういう人達かご説明頂けますでしょうか?

そうだな。”エンジェル” という呼び名は、最近でこそ初期のスタートアップに投資する個人投資家という意味だが、元々は1930年代頃の映画産業で生まれた言葉だと理解している。映画を作るにはかなりの元手が掛かる。でも当たるとデカい。そこで、外部の個人投資家から資金を集め、ヒットしたら彼らに還元する仕組みが出来たんだ。逆に外れても恨みっこ無しだ。その辺が現在のスタートアップ投資の仕組みに近いので、当時の呼び名がそのままこの業界に使われている。

現在のスタートアップ業界では1人もしくは複数の個人投資家が4人以下の超アーリーステージのスタートアップに投資をすることが一般的だ。初期のスタートアップに投資するので、その後の失敗率は高いが、当たればその他の外れたディールをまかなえるぐらいの大きなリターンが得られるのが魅力だ。

エンジェル投資家としてどのようなスタンスで起業家とやりとりをしているのでしょうか?

まず始めに言っておくが僕は起業家の味方であり、僕のファーム、SV Angelは起業家に対して大きな敬意を払っている。投資家の中には残念ながらリターンしか考えていない人々もいるが、僕たちは出来る限り起業家をバックアップするのがポリシーだ。そして、世の中のイノベーションをより加速させる為により多くのスタートアップが投資を受けられやすい環境づくりを目指している。現在だと恐らく投資を希望するスタートアップのうち、資金調達が達成できるのは10%程度だろう。

ちなみに僕たちみたいなエンジェルの他にYコンビネーターのような優れたアクセレレーターも存在する。彼らは起業家達に小額の投資とメンターシップを提供するとても有益なプログラムだ。スタートアップとして彼らのようなプログラムを使うのもお勧めするね。

SV Angel の仕事の裏側

週に30件のディールを検討し、その中で1社に投資をする。起業家とのミーティングをする頃にはほぼ投資する事は決まっているんだ。

それではご自身のファームであるSV Angelのご紹介をおねがいします

僕たちはDavid LeeやBrian Pokornyを始め、合計8人のエンジェル投資家で構成される2009年に設立された投資ファームだ。本社はサンフランシスコにある。現在はSV Angel IVと呼ばれる4つめのファンドを運営しており、規模は4000万ドルだ。僕自身は1994年から投資事業を始めた。投資する先はWebやモバイル系のインターネット関連企業のみに限定している。これまでにSV Angelで300社以上、僕個人を含めると600社以上に投資をしてきている。

投資をするまでのプロセスはどのような流れなのでしょうか?

まず、最新のスタートアップ投資に関する情報が全て社内か外部コネクションからメールで届く。既に信頼出来るネットワークが広がっているので、有益な情報が常に届く様になっているんだ。なので、自ら情報収集に奔走する必要が無い。平均で一日に5つのディール情報が届き、そのうち2-3社はメールの段階で断っている。

メール審査を通った場合、全体会議でその会社の可能性を話し合い、電話をするかどうかを決議する。そして、OKが出るとそのディールの担当者が先方に電話をする。電話での感触が良かった場合は実際のミーティングを設定するかどうかを決議する。場合によってはそれでも次のステップに進まないケースもある。逆にミーティングを設定した場合は、実はその時点でほぼ投資する事が決定している場合が多いんだ。恐らくこのプロセス全体にかかる時間は3-5週間程だ。最終的には 一週間に合計30のディールを審査し、最終的に平均その中で1社に投資をしている。従って、毎週30社の中から1社, 一年で合計50社程が僕たちから出資を受けているという計算になる。

平均的な投資額は?

小さいもので5万ドル, 大きなものでも20万ドル程度だ。

投資する際の獲得株式パーセンテージはどのくらいでしょうか?

先ほども説明したとおり、投資額は通常5万ドルから20万ドルで、投資する会社のバリュエーション (評価額)がだいたい250万ドルぐらいになるから、出資時には1-2%のシェアを獲得する計算になる。その後、例えば投資した会社がIPOする場合、持ち株比率は0.5%をゆうに下回る。それでも僕たちは初期の段階で投資するので、例えばGoogleやFacebookの0.5%を所有しているのはでかいよね。まれにだが出資額が50万から100万ドルの時は10-15%ぐらいの所有率になる事もある。

投資を希望するスタートアップへのアドバイス

可能な限り自己資金で運営した方が良い。投資を受けるのはお金以上のサポートが必要に感じた時だ。

スタートアップがエンジェル投資を受けるとどんなメリットがあるのでしょうか?

まずアドバイスしたいのは、安易に投資を受け無い方が良いという事だ。すぐに投資を求めるのは良く無い。なぜなら外部資本を入れずに出来るだけ自己資金で回して行けば自分達で会社を所有出来るので、自己資金で運営出来る事にこした事は無い。

外部投資を受けずに自己資金だけで運営した良い例としてはTechCrunchがある。彼らは自己資金で運営してきた。だからAOLが彼らを買収した時には、オーナーのマイケル・アーリントンはかなりおいしい思いが出来たんだ。なので、資金が足りないときでも、家族からの借り入れ、銀行、クレジットカードなどで何とか回して行くのをお勧めする。

まあ、もし僕たちから投資を受けたとしたら、資金に加え豊富な知識とコネクションを提供する事が出来る。通常エンジェル投資家はそれぞれに得意なフィールドがあるので、自分のビジネスモデルに会わせて最適なエンジェル投資家を見つけ、投資を受けたら良いと思う。お金以上の価値を提供するのが僕たちの役割でもあるからね。

では投資を受けるタイミングの目安は?

最低でもプロトタイプが出来ている。プラスできればある程度ユーザーが付いている段階だ。そうすればバリュエーション(評価額) が高くなり、優位な投資を受ける事が出来る。もう一つ重要なポイントは、会社を急成長させる時に大きな資金に加え優れたメンターが必要な時だ。でも覚えておいてほしいのは、投資を受ける事を希望しても、そんなに簡単に受けられるわけではないという事だ。


エンジェルが投資を検討する際のポイント

僕たちはアイディアや市場規模よりも起業家の資質を最重要視して投資を行う。サービスではなくて、人に投資をするんだ。

起業家のプレゼンにおいてはどんな所を見ていますか?

僕たちがスタートアップへの投資を検討する際に重要視する優先順位は1.人, 2.アイディア, 3.市場規模の順番だ。世の中には市場規模を最優先する投資家もいれば、アイディアを最重要視する投資家もいるが、僕たちの場合はファウンダーの資質が最も大切だと思っている。理由としてはアイディアやターゲットとする市場はビジネスを展開して行く上でどんどん変化するのが必然だと考えているからだ。したがって、プレゼンをしてもらう場合はその内容よりも、ファウンダー達の資質を見ている。僕自身は20年近くこの仕事をやっているので、起業家のプレゼンを15分見れば、その人間がどのくらいの情熱を持っているかを直感的に判断する事が出来るんだ。

投資後しばらくやってみてうまく行かないケースも多いと思いますが?

もちろんそういうケースの方が多いな。でもむしろ上手く行っていない事を正直に認めて相談してくれるタイプの起業家の方が評価出来る。逆にうまくいかないアイディアに固執してしまう人間は起業家としては評価出来ない。

そのようなケースでも起業家自身の問題ではなく、タイミングが悪かったものもあったとは思うのですが?

もちろん。Napstarが良い例だな。ファウンダーのショーン・ファニングはとても優秀だと思っているが、ビジネス自体はうまく行かなかった。ご存知の通り彼らが原因ではないのだが。それでも僕は彼の起業家としての資質を買っていたので、その後彼が始めた次の音楽ライセンス管理系のスタートアップにも投資したが、失敗に終わった。でも彼は諦めなかった。次にRaptureというサービスを始めた。このサービスはEAに買収され、ついにヒットを生み出したわけだ。

やはり何をやるかよりも誰がやるかを重要視しているのでしょうか?

その通りだ。”この人なら” と思う起業家には僕もとことんバックアップをしたいと思っている。さっきのショーンの場合は、2回失敗をしたが、彼には起業家としての能力が備わっていると確信していたので、絶対にいつかはうまく行くと信じていた。これまでに成功事例があるかどうかはあまり気にしていない。

成功する起業家とは

起業家になる人間は生まれつき起業家の遺伝子が組み込まれている

それでは成功する起業家はどんなタイプの人でしょうか?

起業家には生まれつきの向き不向きがあると思っている。僕が思うに起業家に向いている人は起業家の遺伝子を持っており、一生起業家として生きていくだろう。一度起業してその後大企業に普通に勤められるケースはとても少ない。逆に言うと、一つの会社を成功させられれば、その後複数の会社を経営する事も出来る。ショーンは既に5つめの会社を経営している。恐らく彼はあと3-4社立ち上げるだろうな。

成功する起業家に求められる資質とはなんなのでしょうか?

まずはリーダになってチームを引っ張って行けるかどうかだな。ファウンダーチームが1人だけのスタートアップは少なく、大体3人ぐらいなので、その中でもCEOが残りのファウンダーをひき付けられる人間かが重要だ。そして、様々な変化に対応出来る柔軟性を持っているか。うまく行かなかった場合、臨機応変に対応出来るかどうかだ。

投資した中でも特に素晴らしいと感じた起業家はいますか?

上記のショーン・ファニングは間違いなくそうだろうね。もちろん相棒だったショーン・パーカーもだ。あとはラリー・ペイジやジャック・ドーシー、マーク・ザッカーバーグも強烈な起業家だろうね。まあ、ご存知彼らは全てサンフランシスコ・シリコンバレー界隈をベースにしている人間だけど、ニューヨークを拠点にしているfoursquareのファウンダーであるデニス・クローリーもそうだな。

彼らに共通する点は?

今挙げた人々はそれぞれ異なる特徴を持っている。しかし共通している点も幾つかあるんだ。まずは新しい市場を創り出す事が出来る事。そして、自分のプロダクトに対して強いビジョンを持っているという点だ。彼らは間違いなく自分のプロダクトを利用するユーザーの気持ちをユーザー自身以上に理解している。例えばザッカーバーグはfacebookが何を提供するべきかをユーザーの誰よりも熟知している。それが彼の誰にも真似の出来ない才能だ。

大きなヒットはその他の失敗を全てカバーする

ドットコムバブルが弾けた時、投資先の80%が倒産したが、Google 1社の成功で、全ての損失がカバーできた

Ronさんはこの辺では重鎮ですが、投資事業自体はいつ頃から始めたのですか?

1994年だね。実はその頃からネット系のスタートアップにしか投資しない事を決めていて、それは今でも変わらない。インターネットに関連する市場は最も成長率の高い業界だからだ。結果を見てみても、それは正しい選択だったと思うね。

では、今に至るまで順調にリターンを獲得したのでしょうか?

全くそんな事は無い。1999年にドットコムバブルが崩壊した時、投資してる会社の約80%が倒産した。でも幸運にもGoogleに投資していた事で、その一社だけでその損失をカバーしあまりあるリターンを得る事が出来たんだ。

Googleは大ヒットだったと思いますが、全体的に見てこれまでに投資した会社の成績はいかがでしょうか?

三分の一が失敗し、三分の一が中ヒットで、投資した金額の2倍から3倍のリターンが生まれる。そして、残りの三分の一が4-5倍のリターンからGoogleみたいな結果を出すホームラン、ってとこかな。ちなみに僕はたとえ中ヒットでも凄いと思っている。投資家に2倍から3倍のリターンが出せれば立派なものだ。でも起業家の中では “すみません、これぐらいしかリターン出せませんでした。” と言うやつもいるが、そんな時は倒産する三分の一に入らなかっただけでも十分だと思うと伝えている。そもそも受けた投資額を戻せるだけでも立派だと思う

投資した中でモンスターヒットを出した企業にはどんなものがありますか?

Google, Facebook, Twitter, Paypalだね。彼らのヒットにより、その他の損失が問題無くカバーされ、加えて大きなリターンをうみだしている。でも、これらの企業は何千に一つしか無く、巡り会うのは滅多に無い事だ。

最近はどのようなジャンルのスタートアップに注目していますか?

僕たちの投資するのはネット関連の企業に限定される。その中でも最近ホットだと思われるリアルタイムデータに関連するサービスにフォーカスする様にしている。リアルタイムデータとはユーザーが随時コンテンツをアップしてデータが生成されるタイプのサービスの事だ。例えばTwitterやfacebookだね。その中でもソーシャル、クラウド、ビッグデータ、モバイル、ソーシャルコマース、O2O, グループバイイング系の7つのカテゴリーに注目している。そして、それぞれのカテゴリー毎に20のスタートアップに投資をし、その中でカテゴリーごとに1社づつのビッグヒットを生み出す事を目標としている。

同じカテゴリーの複数のスタートアップに投資をするとライバル同士の会社も出てくるのでは?

もちろんそうだ。でもそんなに大きな問題ではない。その辺は全てオープンにして、事前に話し合うポリシーにしている。例えば僕たちはすでにfoursquareに投資していたが、同業他社のGowallaが出資を求めてきた事があった。最初のミーティングで開口一番、”僕たちはfoursquareに投資しているがそれでも話しを進めたいかい?” と聞いたんだ。彼らはYesと言った。正しい判断だったと思うね。なぜなら僕たちはビジネスへのアドバイスはすれども、プロダクト開発には干渉しないからね。その辺は僕らを信頼してほしいと思っている。

起業家と投資家との関係

スタートアップに価値を提供出来ないエンジェルは投資をするべきではない。

起業家に対してエンジェル投資家の役割とはなんでしょうか?

これはとても重要な事なのだが、投資家は起業家に対しお金以上の何かしらの価値を提供しなければいけないと思う。彼らの成功に貢献するのが僕たちの仕事で、金銭的リターンはそれに対する副次的な結果でしかない。中には楽にお金儲けが出来ると思ってエンジェル投資家を目指す人もいるが…。現実はそんなに甘く無い。投資側からバリューが提供出来なければ、起業家を成功に導く事は不可能だ。起業家を成功に導く決意が無ければエンジェルになるべきではない。

ちなみに、僕たちSV Angelでは出来るだけ起業家が仕事をしやすい関係性を優先するので、投資先の役員会には入らないし、経営に対しての無理な指示も行わない。あくまでサーポーター的な立場だ。でも困った時にはいつでも助けられるような関係を築いている。それには起業家との信頼関係構築はとても重要なんだ。起業家側が僕たちに何かを隠しているのであれば信頼関係を築く事は出来ないんだ。

具体的にどのようなサポート提供をしていますか?

例えばサイトが完成してリリースしたとする。次に必要なのはユーザー獲得の為のサイトへのトラッフィックだ。そんな時は僕たちのネットワークを活用してYahoo, Google, Facebook,Twitter, AOL等の会社を紹介し、リンクや広告掲載、アフィリエイト、キャンペーン等の何かしらのディールを持ちかけるんだ。僕たちのネットワークを利用すればシリコンバレーのほとんどの会社の上層部にすぐに繋げてあげる事が可能だ。GoogleやfacebookなんかのCEOとも頻繁にやり取りをしている。

また、もしスタートアップが次の資金調達先としてVCにディールを持ちかけたいときは、僕たちのネットワーク活用し、最もふさわしいVCを幾つかピックアップし、その橋渡しをしたりもする。その後、バイアウトやIPOといったエクジットを行う際にも買収先の紹介や、アドバイスを提供する。1億ドルぐらいまでの買収ディールであれば、僕たちが手がける事も多い。

あとはファウンダー達の仲違いの仲裁に入る事も珍しく無いんだ。チームにはいざこざがつきものだからね。通常スタートアップのファウンダー達はプロダクトを作る事に熱中して、しばらくすると人間関係がうまく行かない事もある。そして場合によっては会社のマネージメントに関してのサポートもするんだ。

最後に起業家へのメッセージを下さい

“Bootstrap as long as you can.” ? 出来るだけ自己資金で運営する事。

(freshtraxより)

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