ビジネス選書の最近のブログ記事
生涯平均8回転職するアメリカ人。そんなアメリカで最も支持されている「職探しのバイブル」「”自分に一番向いている好きな仕事=夢の仕事”に向かってアプローチすれば、職探しは必ず成功する」というコンセプトの元、そのノウハウのすべてを記します。すでに700万部を超える大ロング&ベストセラーになっています。
【1】
職探しには2つある。「従来の職探し」と「人生を変える職探し」だ。
「従来の職探し」はこれまでと同じ職種の仕事を見つけようとすることだ。目的は生計をたてるためだ。
一方「人生を変える職探し」は、自分が成長し、夢を実現することを目指す。総じてこれまでと違った仕事を探すことになる。
どちらを選ぶかによってアプローチの仕方が変わる。「人生を変える職探し」を決心するのは、たいてい次のような理由からだ。
・最初に選んだ仕事がまちがっていた。
・3人分の仕事を任され、ストレスがたまっている。
・独立して商売を始めることを決意した。
・給与に不満がある。
他にもいろいろあるだろうが、きっかけはともかく、人はあるとき「人生を変える職探し」をしたいと思うようになるものだ。
【2】
「人生を変える職探し」では、仕事だけでなく、その分野も変えてしまいたいと思うことが多い。これを「キャリアチェンジ」と言う。
「キャリアチェンジ」をするなら次の4つの道がある。
・学校へ行き、初めからやりなおす
・まず仕事だけ変える
・まず分野だけ変える
・仕事も分野も一度に変える
なお「どんな分野のどんな仕事に行きたいか」をきちんと把握するためには、次の3つを明らかにしておくべきだ。
・自分が社会のために何ができるのか?
・自分の持つスキルをどの分野で使いたいか?
・どのようにその仕事を見つけるのか?
「人生を変える職探し」は、時間がかかるし、かなりの努力も要る。しかもじっくりと考えなければならない。
【3】
多くの人は「自分が社会に貢献できることは何か」について考えない。成り行きとか、気が向いたとかの理由で漫然と仕事を決める。
しかし社会があなたに求めるのは、労働力の頭数を増やすことでなく「何のために生まれてきたのか」見極め、それを提供することだ。
自分の夢を実現すべきだ。夢に光を当てて輝かせよう。その輝きの導くままに進もう。そうして職を探せば感動のゴールが待っている。
適正テストを受け、面接の本を読み、テクニックを覚えでもだめだ。まず心から望む人生の絵をはっきりと描き次のように自問しよう。
・人生で一番やりたいことは何か?
・果たせなかった夢は何か?
・自分がこの世に生まれてきた意味は何か?
・今まで先延ばしにしてきたものは何か?
【4】
「夢の仕事」に出会うために、まず理想的な人生を描いてみよう。どこに誰とどんな家に住み、何をしているかを自由に描いてみる。
この時、現実的になってはいけない。魔法の杖が自分の理想をすべてかなえてくれることを前提にして想像するのだ。
もちろん世ある職業リストから選ぶことも役立つ。職業には2万種以上あるが、ほとんどの人がせいぜい300の選択肢から選んでいる。
その時、マスコミのランキングに耳を貸すべきではない。その仕事は注目されているというだけで自分の「夢の仕事」とは関係ない。
あなたが見つけるべきは「朝起きて仕事が待ち遠しい」「ただでも喜んでするのにお金がもらえるなんて信じられない」という仕事だ。
【5】
「就職しない」という選択肢もある。自営業、事業主、フリーランス、個人営業などが選択肢だ。中でも在宅で事業を始めたい人は多い。だが次のような問題もあるので慎重に検討すべきだ。
まず、同じ仕事でも自営業者は会社員の70%しか稼いでいない。生活の十分なお金を稼げるか検討すべきだ。また、家族とすごす時間が長くなりすぎたりして仕事に支障をきたすことがある。
さらに自営業者は年中仕事を探さなければならない。失業者の中には、職探しがいやで自営業に惹かれる人がいるが、そういう人が自営業を始めると必ず失敗する。
まずは成功者に話を聞くことだ。どんな落とし穴や障害があるのか?どんなスキルや知識が必要か?成功者ならきっと教えてくれる。
<コメント>
本書は、職探しのマニュアル本ですが、単なる転職マニュアルではありません。読者が、職探しの前にまず人生の意義や生きる目的を見つけることを推奨、天職に出会い、幸せになることを目指します。
今、職探しをしている人だけでなく、予定が当面ない人も、起業したい方も、これから働く学生の方も、自分の仕事、そして人生について考える良いきっかけを与えてくれるでしょう。
なお、訳本なのでデータやハウツー部分は米国人向けです。ただそれを補うためにリクルートワークス研究所が監修、加筆しています。
なお本書では、かなりのページを割いて自分の天職を見つけることの大切さと、そしてその方法を解説しています。その大切さを、私は起業コンサルティングの場で痛感しています。
例えば、私は全国の商工会・商工会議所や地方自治体に呼ばれて、よく起業志望者向けに起業セミナーをやります。そこに参加する人の7割ぐらいは「何をやったらいいかわからない」状態です。
ところが、世に言う起業セミナーは「会社の登記の仕方」とか「税金の払い方」とか「助成金のもらい方」など、いわば「会社の作り方」を教えます。
ですが「何をやるか」決まっていない人に「会社の作り方」を教えて何になるのでしょう。確かにそのほうが教えるほうは楽です。本に答えが書いてありますから。
でも、本当に起業したいなら、「会社の作り方」でなく「業(ビジネス)の作り方」を学ぶべきです。つまり、まずやりたいことの見つけ、それをビジネスにする方法です。
こちらは答えがありません。だから教えるほうも教わるほうも大変です。本書には、そのヒントになりそうな情報や、役に立ちそうなエクササイズも満載されていて、大変役に立ちました。
(ビジネス選書&サマリーより)
エンジェル投資総研は、シードマネー集めに難航している起業家に対し、投資・融資をしてくれるエンジェル投資家を募集し、出会いの場を創出しています。
スタートアップ期における創業資金調達先として、大口融資・高額融資のエンジェル投資総研をご利用頂き、アーリーステージからの脱却を図ってください。
組織の生産性は、リストラやIT導入だけでは向上しないとして、その根底にある風土・体質の変革を唱えた1冊。風土・体質からくる「組織の負の論理」に着目し、それがいかに生産性を低下させているかを、多数の事例とともに浮き彫りにする。
【1】
今、企業にとってオフィスワーカーの生産性は最も重要な課題だ。これまで量的拡大経営に走ってきた日本企業は、これを片隅に追いやり、省みることが無かった。
ところが低成長時代の到来が、経営の基本方針を「質を問う経営」へ転換することを求めている。これをうけ90年代の日本企業はそれなりにリストラによる人員削減や業務改革の努力をしてきた。
しかし、いくら制度やシステムなどハードの改革を行っても、問題は解決しない。その証拠に、一方通行の会議、皆でなんとなく決める意思決定、成果をあげない研究開発などが相変わらず健在である。
こうして労働生産性は主要先進国のなかで最下位になった。オフィスワーカーの生産性が低いのは、組織の論理を優先する仕事の仕方、つまり組織の風土・体質そのものが問題なのだ。
【2】
組織には、非生産的なことがたくさんある。例えば「その話でしたら、窓口を通してください」という言い方が、日常的にされている。また会社の利益と無関係だが、保身のためにやっている仕事もある。
悪いことに皆が「仕事とはこんなものだ」と思っているから、こうした「壁」や「保険仕事」は、部分的に改善しても、いつの間にか元通りになってしまう。
これをなくすことは、簡単ではない。例えば「保険仕事」は、やらないと自分が損をする。正直者は馬鹿を見るのだ。
そうならないように評価制度を変えればよいというが、制度を変えても、頭が切り替わらなければ、仕事のスタイルは変わらない。結局、制度の運用のほうがうまくいかなくなるのが常だ。
「保険仕事」や「壁」の排除には、これを生み出している、企業の体質そのものを変えるしかないのだ。
【3】
従来のオフィスワーカーの生産性向上の試みの多くは失敗してきた。例えば改善委員会のようなものを作ることが多いが、その最終目的は、いつの間にか経営者への提言になる。しかし問題の多くはトップが方針として掲げただけでは解決しない。
さらにこうした運動は、社員間にやらせる側と、やらされる側という対立を生む。気付くと「運動は推進室の仕事」となってしまう。
そして、やらされる側は「推進室の人間がどこまでやれるかお手並み拝見」と言う高みの見物で臨む。
やらせる側は、自分達の評価に関わるので強引になる。そして見栄えのいい成果を作り上げて報告を競い合うようになる。中には虚偽に近い報告もでてきて実態とかけはなれてくる。
これが社員の会社に対する不信感を生む。こうして企業の求心力は、どんどん下がっていく。
【4】
「会社のため」という強い思いを多くの社員が共有できた時代は、終わった。しかし「知恵と創造性が発揮できる会社が作りたい」という意志を持つものは、少なからずいるものだ。
しかし普通はそんなそぶりも見せずに過ごす人が多い。だから周りに同じ思いを持つ人がいることに気づかず「自分ひとりが言ってもしかたないな」とあきらめているケースが多い。
こうした人たちが、その「思い」を共有してネットワークすれば変革の流れになる。こうしたやる気のある人間、自分が何とかしなければ、という思いを持った人間を結びつけるのだ。
人は、明らかに正しいことでもやれば自分が不利になると思えば動かない。だが「誰かが助けてくれる、孤立しない」と思えれば正しいことをする。こうした期待感を持てるネットワークが必要だ。
従来の日本企業には、このようなコンセプトは不要であった。だが社員の連帯感が弱くなった今、こうした思いを自主的、自覚的な動きにつなげていく考え方が、ぜひとも必要なのだ。
【5】
こうしたインフォーマルネットワークは、戦後の日本企業が内にもち、日本経済の大躍進を支えた日本的な強さの源泉そのものだ。もともと日本企業には、共同体的な人間関係の強さがあった。
それは社内で行われていた様々な行事や、会社帰りの一杯のような業務外の活動のことだ。ここで仕事ではうかがい知れないことを、互いに、自然に持ち合える環境が作られていた。こうして皆が当たり前のように「会社のため」と言う価値観を共有した。
しかし低成長時代になり赤字転落する会社が続出、リストラが当たり前のようになった今、これは薄れた。そして次第に損か得かと言う基準が幅を聞かせるようになり、社内の人間関係も希薄になった。
こうして日本企業の発展を支えてきた思いや、志を持ったネットワークは風前のともし火になった。今日、日本企業の再生に必要なのはこの日本独特のネットワークを、意図的に作り出すことだ。
<コメント>
本書は、「組織の負の論理」に着目し、それがいかに生産性を低下させるかを多数の事例とともに提示しています。そしてこの悪弊を克服するために、社員の自発的な変革のエネルギーを統合する必要があると提唱します。
その担い手は、優秀な「コア」社員です。「会社を良くしたい」という、いわば草の根的な思いをフォーマルな変革へと導くのです。
これを読みながら、私の頭を駆け巡っていたのは、ご存知プロジェクトXの数々のシーンです。読みながら、中島みゆきの歌と田口トモロヲのナレーションが頭の中をぐるぐる巡っていました。
私などは、性格がひねくれているので「24時間営業と言われた日本のビジネスマンも、今や8時過ぎのこの番組を見ているのか」などと、変なところで感心してしまいます。
そして「どうしてここまで会社のために」などとうっかり口走ります。すると少し上の世代の人に「彼らは会社のためではなく、自分のためにやったのだ!」などとムキになって言い返されます。そういう人はうっとうしいと思いつつ、うらやましかったりもします。
私のクライアントの経営者の多くが、社員の士気を高めることに腐心します。しかし意外にこの点には無神経な方が多いようです。
「社員が一生懸命やらなくて」とぼやく経営者に「では一生懸命やると社員は何が得られるのですか?」と聞くと、返ってくる答えは、報酬、昇進、周囲からの称賛などです。
もちろんご褒美は大切です。しかし彼らが、仕事をやることそのものに、ご褒美以上の価値を感じることはもっと重要です。つまり誇り、やりがいを感じてもらうことが、ご褒美より大事なのです。
(ビジネス選書&サマリーより)
エンジェル投資総研は、シードマネー集めに難航している起業家に対し、投資・融資をしてくれるエンジェル投資家を募集し、出会いの場を創出しています。
スタートアップ期における創業資金調達先として、大口融資・高額融資のエンジェル投資総研をご利用頂き、アーリーステージからの脱却を図ってください。
われわれは、より長く、一生懸命に働いて、豊かになったのになぜ幸せになれないのでしょうか?
【1】
「生計を立てること」と「人生を豊かにすること」その両者を両立することは、ニューエコノミーの到来でますます難しくなった。
ニューエコノミーのすばらしさは散々語られてきた。だが、それが人間としての我々にどれだけ意味があるのか?そして我々はどんな人生を送りたいのか?その議論はほとんどされていない。
繁栄の時代と言われながら、家族は崩壊し、コミュニティは分解、自分自身の誠実性を守ることすら難しくなっている。これは新しい経済のもたらす莫大な恩恵と比べても小さなものではない。
労働者と個人の生活のバランスをとることは、もはや個人の問題ではない。仕事やその報酬がどうあるべきか、つまり社会に対する問いなのだ。
【2】
ニューエコノミーは、我々に大量かつ簡単に経済的機会を享受する手段を与えてくれた。これは申し分のないことだ。しかし忘れてはならない。我々は買い手であると同時に売り手でもあるのだ。
買い手としての私たちが便利になるということは、売り手としての私たちがますます激しく戦わねばならないことを意味している。
大事なことはニューエコノミーのもたらす恩恵と、それにより被る損失はコインの表裏であるということだ。これが加速するほど利益も損失も大きくなるのだ。
技術革新が買い手により多くの選択肢を与え、買い手を喜ばせようとすればするほど、売り手である我々はより不確実、不安定になる。こうしてすべての人が収入も仕事も不安定で予測しにくくなった。
【3】
ニューエコノミーはコミュニティにも影響を与えている。今や我々は自分のコミュニティを選べるようになった。しかしそれは稼ぎで選別される。どこに住んでいるかはいくら稼いでいるかと同義だ。
この選別メカニズムが、貧しいものの費用負担を前より大きくした。学校、大学、育児、医療、保険、税金、投資収益などが富の大きさで決まる。貧しいものほど不利だ。
誰もこうした結果を望んだわけではない。各人が自分や愛する者のために最善を尽くした結果だ。また富める者が貧しい者に慈悲をなくしたわけでもない。心から助けたいと望み寄付や活動もしている。
しかし選別のメカニズムが行動を難しくしている。富める者と貧しい者の暮らしの統合は、今、自分たちが享受している最高の近隣社会、学校、医療と保育、人脈などを犠牲にすることだからだ。もはや個人の徳義だけで、この問題は正せない。
【4】
我々は、現在、今3つの視点からニューエコノミーを見ている。
まず、そのすばらしさを熱狂的に語る視点だ。それが我々の生活を豊かにしてくれたことは紛れも無い事実で称賛するのは当然だ。
もう一つは解き放たれた資本主義の危険性と略奪性を語る視点だ。世界企業や国際金融資本の力と貪欲さ、移民、外国人、少数民族の侵食など、ニューエコノミーがもたらした混乱を考えれば、それを恐れ、不当な負担を負わされたと感じるのも当然だ。
そういう人たちは激動の原因を企業、グローバリゼーション、国際的資本の流れ、移民の流入、少数民族と考える。しかし本質はすべての人の取引が容易になったことによる競争の激化が原因だ。
最後はバランスよい生活を得ることの難しさを語る視点だ。我々は懸命に働き、金持ちを目指すほど、自分の家族、友情、コミュニティ、そして自分の心がどうかなってしまうのではないか不安になる。
我々は、このようにニューエコノミーという一つの事象に異なった視点で反応し、そのつながりを見ないでいる。
【5】
今こそ、我々はつながりに眼を向けるべき時だ。そして経済ダイナミズムと社会的平穏のどんな組み合わせを望むのか、さらに両社のバランスを得るためにどんな選択をすべきか議論すべきだ。
求めるのは純資産や国民総生産ではなく精神基盤の安定、人間関係の豊かさ、家族の健全性、コミュニティの品性などのはずだ。
今こそニューエコノミーを整理するべきだ。これにより市場を組み立て、家族やコミュニティもそれに応じて機能させる。個人はその中でバランスをとる。こうした決定を通して、社会を再定義する。
我々は現在の潮流や選別メカニズムの奴隷ではない。本当に望むなら経済的有用性を超えて、市民としての相互義務を果たすことが出来る。またそのような形の仕組みを作ろうと主張することもできる。
あとはこれを皆で行うのか暗闇で一人取り組むのかということだ。
<コメント>
本書はニューエコノミーの到来で、米国がどう変質したのか反省をこめて分析します。著者はクリントン政権で労働長官を務め、完全雇用を提唱したロバート・ライシュ氏です。
ニューエコノミーで豊かになったのは、ほんの一握りの上層の人、大半は長時間労働のサイクルにのみこまれました。アメリカ人の労働時間はヨーロッパ人よりも年間350時間も多くなり、個人の生活は傷つき、コミュニティは崩壊しました。
もちろん著者が見ているのはアメリカの社会です。ですがそのアメリカをお手本にしてきたのが日本ですから、遅かれ早かれ日本の行く末ともいえます。
すでに似たような兆候は現れています。少し前から企業を「勝ち組」「負け組」と分けてとらえるようになりました。最近では、この言葉は今では個人に使われます。「勝ち組サラリーマン、負け組サラリーマン」といった見出しを電車の中吊りなどでよく見かけます。
均質と言われてきた日本でも2極化を意識するようになったのでしょう。「金持ち父さん貧乏父さん」という本が売れるのはその象徴ではないでしょうか。
現に失業率が高止まりして、路頭に迷う人がたくさんいる一方、年収数千万円というサラリーマンがいます。強きにやさしく、弱きに厳しい構造改革もこうした二極化に拍車をかけそうです。
そして社会がそれを当然のこととして受け入れはじめている気がします。
本書には、反面教師アメリカが描かれていますが、では一体日本はどこに向かっていけばいいのでしょうか?
(ビジネス選書&サマリーより)
エンジェル投資総研は、シードマネー集めに難航している起業家に対し、投資・融資をしてくれるエンジェル投資家を募集し、出会いの場を創出しています。
スタートアップ期における創業資金調達先として、大口融資・高額融資のエンジェル投資総研をご利用頂き、アーリーステージからの脱却を図ってください。
ご存知『ザ・ゴール』シリーズの第3弾です。今度はコンピュータソフトウェア企業BGソフト社を舞台に、新ソフト開発、販売、フォローアップ過程で、さまざまな疑念、抵抗、危機、葛藤を乗り越え、他社が真似できない競争優位を確立します。
【1】
世界屈指のコンピュータソフト開発企業BGソフト社のトップ、スコット・ダンカンは、自社と業界の将来に強い危機感を持っている。同社は年40%の成長率を維持してきたが、状況は厳しくなってきた。
まず市場が飽和している。自社のクライアントである大企業はすでに開拓済みなのだ。だが中規模以下の企業は、販売サイクルが長くコストがかかり、自社の成長は維持できない。
もう一つ問題がある。それは製品が複雑になりすぎたことだ。市場の需要を満たすために、新しい機能を次々搭載してきたためだ。だが、もはやソフトは導入にも、使いこなすにも時間がかかりすぎる。
ひとたびバグが発生すれば、探したり修正したりすることは、不可能だ。シンプルなシステムが必要だ。だがこれは高機能化して市場のニーズを満たすということとジレンマだ。
しかし一番の問題は、この状況にどう対応すべきか、全く見当がつかなくなってしまったことだ。
【2】
スコットは、自社の重要な顧客のCEOに突然呼び出された。彼はBGソフト社のシステムが、会社の利益に全く貢献していないと取締役会で追求され、窮地に立たされているとのことだ。
目に見える効果はでているが、それを利益に変換できていないと言う。確かに仕事は楽になったが、それで人員を減らしたわけではない。結果的に会社の利益にはつながっていないというのだ。
例えば、同社のシステムのおかげで流通センターの欠品は減り、売上は増加した。それがいくらかを説明しなければならない。持ち帰り調べた結果、増加した利益は年間1億以上であることがわかった。
スコットは、この一件で自分達を含むソフトウェア業界の人間が、いかに顧客の利益、すなわち価値に無関心であったかに気づいた。そして、むしろこれを自社の競争優位性にできると考えた。
【3】
スコットは、共同経営者のレニーに「顧客の利益を向上させるために障害になっていることは何か?」に関する自説を語った。
コンピュータの威力はすばらしいが、それを導入して利益が劇的に増えた話はほとんど聞かない。それは、多くの企業がテクノロジーを導入しながら、慣れ親しんだ自社のルールを変えないからだ。
新しいテクノロジーがメリットをもたらすのは、それを用いることで、これまで出来なかったことができるようになるからだ。逆にテクノロジーを導入しても、限界が取り除けなければメリットはない。
しかし企業はテクノロジーが導入される前から、こうした限界と共存してきた。その過程でその限界にあわせた習慣、評価尺度、ルールなどを作ってきた。
多くの企業が、テクノロジーで限界を取り除いても、旧いルールを残す。だからテクノロジーのメリットを十分享受できないのだ。
【4】
スコットは自室に経営陣を集め、現行の成長を維持するために、単にソフトウェアを売り込むことは辞め、顧客企業に真の価値を提供することを目指す決意を表明した。
そのためには、顧客企業のルールを変えることまで請け負う必要がある。企業の中に長年にわたった形成されてきた行動パターン、カルチャーなどを変えるのだ。
これは、これまでソフトウェアの会社がタブー視してきたことだ。確かに「どう自社をマネジすべきか?」「いかに変革を起すか?」にまで口に出すことは、自分達の領域を超えている。
だがこれにより顧客が確実に利益を出せるなら、投資に慎重な中小企業も取込める。また既存顧客も、従来の間接部門に加え、生産現場、研究開発、IT部門にも同社のソフトを導入するだろう。
これにより現行を上回る成長を遂げられるはずだ。まずはコンサルティング会社と組んでソフトを販売することにした。彼らはマネジメントや変革の専門家だ。その道具として製品を進めてもらうのだ。
【5】
結果、BCソフト社は目覚しい成果をあげた。同社のシステムを全社的に導入した巨大企業ピエルコ社から願ってもない提案を受ける。
今後、自社だけでなく取引先にも同様の仕組みを導入していきたいので協力してほしい旨告げられる。ただし取引先は中小企業なのでソフトウェアの購入費やインストール料、メンテナンス料を払えないという。
代わりに、ピエルコ社とその取引先のシステム管理をすべて請け負ってもらえるなら、売上げの1%を毎年支払うという。ピエルコ社だけで年間1億ドルが見込める。
またこの条件なら同社の取引先である中小企業にも支払える。これによりBGソフト社は、念願の中小企業の顧客を取り込めるようになる。
さらにピエルコ社と取引をする企業はBGソフト社と契約せざるを得なくなる。これによりBGソフト社は、飽和しつつある市場で、顧客を開拓し続けなくても、これまで以上のペースで成長出来る。
<コメント>
本書は、ご存知ベストセラー『ザ・ゴール』の第3弾です。前回までの主人公アレックス・ロゴは登場せず全く新しいストーリーです。
本書の舞台は1998年です。「これからはインターネットの時代だ」などと言って話は終わります。このあたりを読むと「何を今さら」という感じです。
ただし、著者の主張の根底に流れる原則「ルールを変えろ」というところは、今も当てはまることです。
一時期、eジャパン構想などと称してネコも杓子もIT化という時代がありました。私もずいぶん色々な企業を手伝いました。
その成果がそろそろ現れ始めてます。うまく成果の出た会社も失敗した会社もあります。その違いは?と聞かれれば、やはり「導入して、仕事のやり方を変えられたかどうか」と答えざるを得ません。
うまくいかない企業は、ITを導入しただけで、満足しました。そして仕事のやり方のほうは、今も導入前と同じす。
ある企業では、社長室にeメールを導入しましたが、秘書が社長あてのeメールを、毎朝プリントアウトして社長に渡しています。社長はそれを読み、返信の必要があれば鉛筆で返信文を書いています。そして秘書がそれを元に返信メールをうっています。
その秘書は「eメールの導入で自分の仕事がかえって増えた」とこぼしています。
さすがにそういう企業は減りました。でも社内の申請書類を電子化しながら、申請そのものは相変わらずそれをプリントアウトして、はんこを押して、社内メールやファックスで送付と言う会社は結構あるようです。
エンジェル投資総研は、シードマネー集めに難航している起業家に対し、投資・融資をしてくれるエンジェル投資家を募集し、出会いの場を創出しています。
スタートアップ期における創業資金調達先として、大口融資・高額融資のエンジェル投資総研をご利用頂き、アーリーステージからの脱却を図ってください。
なぜ組織は変わらないのでしょう? 今やコーチング抜きにマネジメントは語れません。理論から応用まで、日本におけるコーチングの第一人者が語ります。
【1】
環境は急激に変化している。今、企業が求めるのは、自ら変革を起こせる創造的、自発的人材だ。だが従来のやり方でそうした人材を育成することは難しい。まず教育やマネジメントの変革が必要だ。
その変革には、スポーツの世界が参考になる。スポーツでは、これまで、コーチは技術を教える人、選手はそれを教わる人とされてきた。だから名選手が名コーチとされてきた。
だが人はそれぞれ異なるので一方的に教えられた技術は使えない。使い方は本人が自分で見出さねばならない。だから最近のコーチは、教える代わりに会話をする。そして選手自身の気づきを促していく。
これはビジネスの現場も同じだ。だから会話を重ねて、相手に目標達成に必要なスキルや知識を備えさせ、行動を促すコーチングという手法が、人材育成法として注目されているのだ。
【2】
部下がうまくいかないのは、本人のやる気や人間性に問題があるとされがちだ。しかし本当の問題は普通、次のようなところにある。
・本人が、自分の能力に気づいていない
・適性がない
・知識がない
・技術がない
・意欲を高める方法を知らない
優秀な上司は、部下と会話して部下が持つ資質や才能を見つける。またその活用方法や、必要な技術や知識を得るために「何ができるか」について話し合う。こうして部下の自発的な行動を促す。
コーチングとは、こうした会話を作り出す戦略的なコミュニケーションのスキルだ。コーチはこのスキルを使い、会話を広げ、会話を促進する、いわば会話のファシリテーターだ。
【3】
人はそれぞれ違う。一つの考え方、やり方を押し付けてもだめだ。求められているのは、話を聞くのがうまい上司だ。教えるのでなく、引き出し考えさせ、相手を行動させる人だ。そういう上司は少ない。
人は考え方や、やり方を押し付けられても自発的に行動できないのだ。行動するには、双方向のコミュニケーションが必要だ。だが多くの場合、上司と部下の関係では、上司ばかりが話す。
こうして上司は、部下の状態や、行動できる動機について知る機会を失している。また管理し過ぎると、部下の自発性を奪い、状況対応力を低下させる。上司は任せなくてはならない。
だが放任はいけない。任せることと放任は似て非なるものだ。放任されれば、自分の行動や仕事に対するフィードバックがなくなり成長の機会を失う。
コーチングは管理でも放任でもない。相手に関心をもち、会話を交わすが、必要以上の管理をしない。部下の行動を促すことに主眼を置き、機能的、効果的に関わることである。
【4】
人は相手の話を聞いていない。皆、相槌を打ち、聞いている顔をしながら、実は自分が「次に何を話すか」を考えている。だが人は聞かれないと、自分が大切にされていないと感じる。
聞かれない理由は、聞く側の誤解にある。「聞いてほしい」と言われた人は次のように考える。
・忠告を求められている
・話の内容の評価を求められている
・問題の解決を求められている
・同情や共感を求められている
・つまらない話でもつきあうことを求められている。
ところが「聞いてほしい」と言った人は、相手にそんなことを期待していない。彼らは単に「聞いてほしい」のだ。
人は、話しながら「自分が何を思っていたか」を知る。内側の情報を外に出して始めて認識できる。アイデアを生み出し、発展させる時も孤独な思索だけでは限界がある。だから話すのだ。
【5】
コーチングには大きく分けて次の6つのスキルがある。
1.要求する
2.聞く
3.聞き分ける
4.質問する
5.受け入れる
6.目標達成プログラム
いずれも誰かが考え出した新しい技術ではない。すでに実践され、機能しているコミュニケーションの集大成だ。だからコーチングを「日常の会話の気の利いた技術の集大成だ」という人もいる。
しかしプロのコーチは、これを次のように戦略的に進める。
・現状の明確化
・望ましい状態の明確化
・現状と望ましい状態のギャップの理由と背景の発見
・行動計画の立案
・フォローと振り返り
人はこうしたプロセスを経てはじめて自分で考え、行動するようになる。だから、変化する状況や、不測の事態に対応できる自立した人材が欲しい企業の人材育成に役立つのだ。
<コメント>
●今回の選書について
日本における唯一の「国際コーチ連盟マスター認定コーチ」が、理論から実践まで体系的に記したコーチングの基本書です。コーチングを小手先のテクニックではなく理論から学びたい人にお勧めです。
本書に書いてあることには、いろいろと思い当たるフシがあります。
例えば「わかっていることと、行動の間には大きな溝がある」という一説があります。これは、私の学生時代の家庭教師のアルバイトを思い起こさせます。
私に家庭教師を依頼する親御さんの多くは、必ず私に「ウチの子はやればできるんですよねー」と言っていました。そういわれると、私は心の中で「そりゃ、やれば誰だってできるよな。やれないからみんな苦労してるんだよな」と思っていました。
最近、同じような経験をしています。起業希望者の相談です。時々、いつまでも起業できない人がいますが、そういう人はできない理由ばかり述べていつまでも行動しません。
そりゃ、誰にでもできない理由の一つや二つあります。私にだってありました。違いは「それでもやるかどうか」です。
と言うと冷たいので、一つだけ、こうした障害を乗り越えるコツを教えましょう。それは「できない理由を書き出してみること」です。そうするとたいてい「どれもどうってことない」ことに気づきます。
これを書くのでなく、誰かに話すというやり方をすればさらに効果が上がります。
実は、私に相談に来る方には、私に話すうちに「できない理由が、どれもどうってことない」ことに気づく人がいます。その間、私は頷きながら聞いているだけです。
人に話すことは、紙に書くより、ずっと効果があるのです。これぞまさにコーチングの原理です。
(ビジネス選書&サマリーより)
エンジェル投資総研は、シードマネー集めに難航している起業家に対し、投資・融資をしてくれるエンジェル投資家を募集し、出会いの場を創出しています。
スタートアップ期における創業資金調達先として、大口融資・高額融資のエンジェル投資総研をご利用頂き、アーリーステージからの脱却を図ってください。
自己主張しなければならないのに、きまっていつも「利用されてしまう」人。これは訓練で直せます。その心構えをいくつものシーンで事例を挙げながら解説します。
【1】
「願いをかなえて、尊厳ある人生を生きたい」と誰もが思うが、生きていくうちに忘れてしまう。そして多くの人は自分の力に気づかず、怒りや思いやりを表現してはいけないと感じるようになる。
他人の要求を優先し、自分の望みはしまいこみ、主張しない状態に慣れる。人生をコントロールできないから不安が募る。
反対に、自分を主張できる人は感情表現を恐れない。また人と親しくなったり衝突したりすることを恐れない。勇気を持って行動する。自分がどんな人間か、何が欲しいかわかっている。
自己主張できない人は「何かいったら相手は激怒する」「断れば嫌われる」「要求したら解雇される」と思っている。だがこうした理由で自己主張しないと人として成長しないし、成功もできない。
人はこうした行動を、学習して身につけている。だから解決策も行動で身に着けることができる。
【2】
適切に自己主張できる人は、次の4つの特徴を持つ。
・自分を自由に表現できると考えている。
・相手との距離に応じて、いろいろな水準で通じ合える。
・人生に前向きで、目標を達成しようとしている。
・自尊心がもてる行動をとっている。
自己主張できるようになれば、親しい人間関係が築けるようになる。そして感情の変化に敏感になる。こうしてさらに日々いきいき過ごせるようになる。自己主張はすべての人に必要なのだ。
ところが両親や教師、会社は、自己主張できない人を作ってきた。親は子供の自己主張を許さないし、教師は教育システムに疑問を抱かない子に報酬を、抵抗する子に仕打ちを与える。職場で率直な意見を言えば昇進や昇給を逃し、解雇されることすらありえる。
こうして人に嫌われたり、拒絶されたりするのが不安でならない人ができる。こういう人は、そうなりそうな状況を避けるようになる。だからますます人生を前向きにコントロールできなくなる。
【3】
人間は人生の時期によって、安心を得る対象が異なる。子供時代は両親に、思春期には友人グループに自分が受け入れられることで安心しようとする。
思春期の段階に留まる人は、自分を抑制しがちだ。グループを離れると自己認識が失われるから、他人がどう思うかばかり気にする。他人の考えで行動を決めてしまう。
思春期が終わり、大人になると安心感のためのグループは不要になり、親友や、異性の友人といった少人数で人間関係を築く。
さらに「自分はどうしたいのか」「自分にはどんな価値があるか」がわかるようになると、他人から安心感を与えられなくても、自信を持てるようになる。
こうなると物事を深く味わい、積極的に行動し、親しい人間関係を築きたいと考えるようになる。同時に自分の主人は自分であると常に思えるようになる。
【4】
自己主張が苦手なのはどんなタイプの人だろうか?
・内気な人
・コミュニケーションに問題がある人
・自己主張に偏りがある人
・行動や態度に問題がある人
・考え方に問題がある人
・習慣に縛られている人
・親が自己主張をしなかったか、放ったらかしだった人
うまく自己主張ができない人は、卑屈に見える。自分の気持ちを表現できないために傷ついたり、不安を感じたり、自分を否定的に考えたりする。結果、周囲に軽蔑の気持ちさえ抱かせる。
一方、自己主張する際、攻撃的な人がいる。こういう人は怒りや痛みを胸に抱えている。最後は相手より優位に立ちたいという思いが心の奥底にあるからこうなるのだ。
こうした態度は一時的には相手を思い通りにできるかもしれないが、たいてい関係に支障をきたす。相手も攻撃的な態度をとり、自分もさらに攻撃的になる悪循環だ。
適切な自己主張では、要求が通らないこともあるが、少なくとも自分を肯定的に感じられる。うまくいかなくても、理性を失い相手に敵意を抱くことはない。
【5】
自己主張を身につける過程は、外国語の学習に似ている。まず単語やフレーズ、そして基本的な文法を覚えていく。ある時子供の語彙で会話ができるようになり、学び続ければ流暢に話せるようになる。
自己主張でも基本を練習し、日常生活に応用してみるべきだ。できないことをトラウマのせいにしたがる人が多いがそんなことはない。主張せねばならない状況を避けてきたか、方法を知らないだけだ。
まず小さなことでいいから自己主張に関する目標を決める。目標を持てば意欲がわくし、達成すれば他の目標も達成したくなる。ところが、できないときの不安のために目標を決めない人は多い。
こういう人は何も選ばないという選択肢を選んでいる。人生は選択の連続だ。前へすすむ選択肢も、後戻りする選択肢もあるし、安定を求めたり、勇気をださないという選択肢もある。
だがぜひ成長できるほうを選んで欲しい。不安に負けずに一日に何度も成長を選んで欲しい。自己主張するほうを選ぶ人は、そのつど成長に向かって前進しているのと同じことなのだ。
<コメント>
いつも感情を堪えてガマンばかりいる人。言いたいことも言えず、依頼することなどもってのほか。相手がどう思うか不安で、人の目を気にしてばかり。
本書は、こうした我慢を止め、行動や態度に示すことによって、感情と気持ちを伝えていく方法を色々な場面から学べるようになっています。
自己主張の国アメリカで、こうした内容の本が書かれたことは大変興味深いことです。国際政治の場でも、経済の場でも、アメリカ人は「少し行きすぎでは?」と思うくらい自己主張しています。
学校でも、会議でも日本で「質問はありますか?」と言っても、誰も手を上げませんが、アメリカではほとんど全員が手を上げます。
たとえ運良く発言する機会を得ても、発言の最中にどんどん割り込まれます。「最後まで言わせてくれ!」と言い続けないと、発言を言い終えることすらできません。
またスーパーなどで買い物をするときに、ちょっと食べ物のラベルを眺めて、買うかどうか悩んでいたりすると、突然見ず知らずの人が「それはやめたほうがいいよ」などと言ってきます。どうも黙っていられない人々のようです。
そういう人たちの国で、本書が300万部以上の売れたというのだから驚きます。サマリーでは紹介できませんでしたが、自己主張の練習として本書に紹介されているのは、
・お店で両替をもらってみよう
・お札で新聞を買ってみよう
・試着をして買わずにかえってみよう
などです。
皆さんお気づきになったかどうかわかりませんが、実は本書の原書が発行されたのは1975年、何と25年以上前です。その後本書のような書籍や教育が功を奏して、人々が自己主張するようになったのでしょうか?
(ビジネス選書&サマリーより)
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困難で重要な人間の問題のほとんどは、慎重で思慮深く実践的な小さな努力が解決しています。世界を動かし変革するのは、ヒーローではなく静かなリーダーです。
【1】
どんな分野にも偉大な人物、リーダー、ヒーローがいる。彼らは、見習うべき見本として称えられ、リーダーシップを本当に実践している人だと考えられている。
しかし最も実践的なリーダーはヒーローではない。忍耐強くて慎重で、段階を経て行動する人、犠牲を出さずに自分の組織、周りの人々、自分にとって正しいと思われることを目立たずに実践する人だ。
彼らを静かなリーダーと呼ぼう。静かなリーダーは、その穏健さと自制心により、すばらしい業績を成し遂げてきた。歩みは遅いが、往々にして組織や世界を向上させる最も手身近な方法をとる。
彼らの仕事は、戦略でも、重要であるとも見なされていない。そのため経営トップが考える問題ではない。だが絶えず生活の細部にわたり、継続的に、難しい選択を行っていることに変わりはない。
【2】
静かなリーダーは現実主義者だ。世界をあるがままに見る。だから、周りを驚かせ、意気消沈させ、仰天させる出来事にも対峙できる。
また静かなリーダーは慎重だ。時には単純な問題が、極めて危険なことがある。不測の事態に備えて計画を立て油断しないのだ。
彼らは組織とは利己主義、不正、忠誠心など様々な価値観に人間の本性が交じり合い、混乱に満ちたものだということを知っている。
また組織とは既得権を守ろうとするインサイダーと、インサイダーになろうとするアウトサイダーで構成されていることを知っている。だから組織の抱える問題には慎重に対処する。
静かなリーダーは人を信頼することは大切だと考えているが、その信頼はもろく崩れやすいものであると考えている。
【3】
組織が崩壊しそうなときには逃げ出すのがまともな感覚だ。しかしヒーロー型リーダーは、他人のためにすすんで自分を犠牲する。この手の話は人の心を動かす。だが現実の世界にはほとんどいない。
もちろん静かなリーダーも偏狭かつ利己的、矮小な動機だけで行動するわけではない。彼らも簡単には逃げない。ただそれは利他主義からではない。
静かなリーダーはそこまで高尚でない。しかし他人や自分の組織がどうなるのかも気にしている。同時にしっかり保身も考える。利己主義と利他主義が同居しているのだ。
むしろ静かなリーダーは、最後まで頑張りぬくために、利己主義も利他主義も動員して原動力を引き出す。また組織で影響力を発揮するには地位を得る必要がある。そのために利己主義を発揮する。
大事なことは、人とは様々な動機で行動するものだ、ということを知ることだ。利他主義と利己主義の狭間で身動きが取れなくなるのが一番ばかげている。
【4】
静かなリーダーは、とにかく最後まで頑張り通し、成功することを目指す。そのため狡猾な方法も辞さない。例えば時間稼ぎをする。難問に直面してもすぐに答えを出そうとしない。
ヒーロー型のリーダーシップモデルでは、生きるか死ぬかの選択の場面こそがリーダーシップの見せ場だ。こうした場面で速やかに決断し行動することが評価される。
しかし現実の職場で起きるのは、平凡で些細な出来事だ。だがこうしたことこそ侮れない。当初考えていたよりずっと多くの落とし穴がある。様々な問題に波及するものだ。
静かなリーダーは問題に直面しても即座に対策を打ち出そうとはしない。まず時間を稼ぐ。これは臆病で混乱しているからではない。こうした出来事の裏に潜む危険を、見通しているからなのだ。
【5】
静かなリーダーは、時間稼ぎの他にも、規則を曲げたり、己の組織内での影響力を活かしたり、創意工夫をしたり、およそリーダーらしくない行動をとる。
理由は妥協するためだ。複雑な環境下では、時には道徳に背くか、それを守り通すか、という二者択一を迫られる。そんな中で、一線を守りつつ責任を果たすためには妥協するしかない。
彼らは道徳を貫き通すべきだ、と考えている。だがそう考えるだけでは、問題は解決しない。そこで想像力を発揮する必要がでてくる。
そして、現実を直視し、時間を稼ぎ、規則を曲げ、影響力を活かしながら、創意工夫で難局を乗り切り、何とか目的を達成しようとするのだ。
<コメント>
従来のリーダーシップ論は偉大なヒーロー型のリーダー像を強調してきました。本書はそれとは全く違う、現実的なリーダーのあり方を論じています。
リーダーシップに関する本はたくさんありますが、そのほとんどが大組織のトップの活躍を語ります。それは我々の明日の仕事には使えません。彼らとは置かれている状況も、権限も、カリスマ性も違うからです。
私がこうした本を紹介するのは、元気になれるからです。子供がナポレオンや織田信長の伝記を読むのと同じ感覚です。皆さんにお勧めするのも、ある意味、栄養ドリンクとしての効果です。日常業務に役立つ実務書と混同すべきではありません。
では大企業や大組織のトップでない人間にはリーダーシップは必要ないかというと、そんなことはありません。マネージャーでも平社員でも、リーダーシップを発揮しなければならない局面は、少なからずあるはずです。
しかし、こうしたことは日常茶飯事としてあまり本に取り上げられません。本書はこういう日常茶飯事にこそ光を当てています。そして我々がまず目指すべきモデルとして、静かなヒーローを提示してくれます。
本書にでてくるリーダー達は決して格好よくありません。でもしっかり行動し、成果も実績も残します。
そしてこれまで自分がやってきたことが、姑息で、間違った、必要悪のようなものではないのだ、肉を切らせて骨を絶つ、高度な戦術なのだ、というお墨付きを与えてくれます。
(ビジネス選書&サマリーより)
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日本は黄金の羽根を撒きながら堕ちていく天使だ。衰退の時代でも、大量の黄金の羽根が零れ落ちている。この羽根を見つけるには「知識」が必要。ほんの少しの工夫で人生は劇的に変わる。
【1】
経済的側面に限れば、人生の目標は経済的独立を果たすことだ。つまり誰にも依存せず、人生を自由に設計できる十分な資産を持つことだ。そうでないうちは、誰かの奴隷になっていることになる。
最短距離で経済的独立に到達するためには、人生を効率的に設計することだ。それにはまず日本人の人生を根底から規定する政治的・経済的要因について知らねばならない。
まず私たちをとりまく世界は、大きく歪んでいることを知るべきだ。国家だけでなく、株式市場も不動産市場も、およそ経済活動を伴うすべての場所に歪みがある。完璧な制度などどこにもない。
その歪みから必然的に恩恵を受ける人と、損をする人が生まれる。この恩恵を受けるために必要なのが知識なのだ。
【2】
人類の歴史に貨幣が登場して以来、お金持ちになる方法は3つしかない。それは1行の数式で表せる。次の通りだ。
◆資産形成=(収入―支出)+(資産×運用利回り)
この方程式から金持ちになる方法は次の3つしかないことがわかる。
・収入を増やす
・支出を減らす
・運用利回りを上げる
成功の方程式は、純利益を増やし、本業の収益力を向上させること、そして保有している資産を有効活用することだ。その証拠に、世にある金持ち本はすべてどれかに分類できる。
ベストセラー「金持ち父さん貧乏父さん」の内容も例外ではない。
【3】
お金もちになる方法は、すべて方程式の中にある。方程式第1項(収入―支出)は純利益として資産に加えられる。つまり純利益の確保が重要だ。これを確保して初めて資産形成のスタート台に立てる。
第2項(資産×運用利回)は、運用利回りが高ければ資産はそれだけ大きくなることを示す。資産は複利で増えるため僅かな利回りの違いが大きな差になるのだ。
もう一つ「十分な資産がなければ、運用しても大した効果がない」ことを知るべきだ。だが老後は皆、資産運用益で食べていかねばならないのだから、今から投資をして学習することは無駄ではない。
なおサラリーマンが収入を増やす確実な方法は、働き手を増やすこと、つまり共働きだ。世界一住居費の高い国で一人暮らしをすることや世界一人件費の高い国で専業主婦を養うことは究極の贅沢だ。
【4】
「最大の資産は自分の能力だ」という人がいる。自分が1年働いて年500万円の収入を得ているなら、市中金利が1%であなたの能力の資産価値は5億円になる。
しかしいくら自分に投資しても、努力しても成功できる人は限られている。そうなるとその大半は無駄になる。では自分に投資しても効果が上がらない人はどうすべきか?
支出を減らすことは誰にでもできる。これなら確実に純利益は増大するので資産が大きくなる。こうした確実に資産を増やす方法があるのにそれをしない人は資産形成などあきらめたほうがよい。
ただし小遣いを5000円に減額したり晩酌のビールを小瓶にするといったことは家庭が暗くなるだけで効果はない。手をつけるべきは、居費と生命保険だ。
株式売買にも不動産購入にかかる手数料にも注意が必要だ。これは投資のコストだ。これを考えずに投資することはブローカーにお金を寄付しているようなものだということに気づくべきだ。
【5】
一般にサラリーマンが金持ちになれないのは、税・社会保険料のコストが大きいからだ。年収1000万円のサラリーマンの実質税負担は250万円だ。
これで金持ちになれるはずがない。だから金持ち父さんも「サラリーマンは金持ちになれない」と言った。そんな中、サラリーマンが金持ちになる方法は3つある。
1)一部上場企業の経営者になる
2)ベンチャー企業に就職して自社株を購入する
3)仕事を発注した業者からキックバックを受け取る
ただ最も早く確実に金持ちになる方法は、やはり自営業者になり、所得に対して税金を払うことを止めることだ。事業が軌道に乗り、お金が回るようになれば急速に金持ちになれるはずだ。
<コメント>
ベストセラー「ゴミ投資家」シリーズの中心人物で、経済小説「マネーロンダリング」で話題になった著者が、最新の経済動向を盛り込んだ、人生設計の指南書です。
帯には「日本人には役に立たない『金持ち父さん 貧乏父さん』は今すぐ捨ててください」とあります。確かに『金持ち父さん 貧乏父さん』で提唱された方法は税制などの違いから日本では役立ちません。
本書は日本に特化しています。『金持ち父さん貧乏父さん』日本実践版とも言えるかもしれません。
ただ残念ながら本書の提案の多くは、サラリーマンには利用できません。著者によると「日本のシステムそのものが、サラリーマンに「負の側」を歩くことを運命づけているからだそうです。
これも「起業しなければ金持ちになれない」という金持ち父さんの主張と一致するところです。
だからと言って会社を辞めればいいか、というとそうではありません。本書のノウハウの中心は節税にあります。言うまでもないことですが、節税とはゼロから有を生み出す錬金術ではありません。
むしろ節約術です。節約の前に売上げを作る必要があります。会社を辞めればそれは自力で作る必要があります。
その力がない人が会社を辞めると、節約どころか生活できなくなります。だからまず、自力で稼ぐ力をつけることが先です。
そこで、私は会社にいながら起業することを提唱しているのです。退職は起業に成功してからでも遅くありません。独立開業してから本書のノウハウを使えば、あなたは急速にお金もちになるでしょう。
(ビジネス選書&サマリーより)
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21世紀を生きる日本のサラリーマンが修得すべきは、ビジネスの武器だ。具体的には「論理力」と創造力だ。だが今の日本では高級官僚もサラリーマンも世界に通用するウェポンを持たない。丸腰だ。
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