経営戦略: 2008年3月アーカイブ
スーパー店頭に広告映像を配信
情報源:日本経済新聞 2008.01.10【13面】
◆最近のテレビCMでは、キーワードを入力した検索窓が示され、「詳しくはWebで」と終わるものをよく目にする。それを見た人のうち、どれだけの人がネットにアクセスするのか、気になるところだ。
◆いずれにしろ、商品が購入されるに至るまで、いくつものハードルを越えなければならない。CMを見せ、ネットにアクセスさせ、購買行動を起こさせる。商品を売るのは、容易なことではない。
◆マーケティングの世界では、消費者の行動を説明するのに「AIDMAの法則」がよく知られている。まずは注意(Attention)を惹き、関心(Interest)を持たせ、欲求(Desire)を抱かせ、商品を記憶(Memory)させ、購買行動(Action)へと導く。
◆テレビCMの役割は、注意・関心・欲求を喚起し、さらに商品を記憶してもらうことだ。だから、商品名を連呼するようなCMもよく見かける。そうやって、「記憶」してもらおうというわけだ。
◆印象的なCMであっても、さて何の商品のCMであったか、思い出せないものもある。CMそのものは記憶に残っても、商品を記憶するわけではない。
◆10日付けの日本経済新聞に、「フジテレビジョンは3月から、スーパーの店頭に食品などの広告映像を配信するサービスを始める」という記事が掲載されている。
◆この仕組みでは、テレビで見たCMの詳細版を、売り場の液晶画面で見ることができる。CMの記憶が売り場でよみがえることになるから、それだけ購買行動に結びつきやすくなる。AIDMAのプロセスを「記憶」部分で途切れさせなくする効果があるだろう。
「欲求」「記憶」をつないでいく
●このサービスは、「映像をPHSによる無線方式で配信する仕組みを大日本印刷と共同開発した」ものだという。テレビCMでは「この続きは店頭で」とアナウンスされ、その通りに続きを店頭で見ることができる。
●自宅で見たテレビCMの続きを店頭で見ることになるわけだ。それなら最初から店頭のみでCMを流しても良さそうだが、自宅とは異なり、店頭ではじっくり視聴する気になりにくい。
●じっくり視聴させるには、テレビCMで興味を煽っておく必要がある。続き見たさで売り場に足を運ぶ人は多くないだろうが、見覚えのあるCM、しかも続きが気になっていたとなれば、ついつい見入ってしまいそうだ。
●上述のように、CMを流しても、「記憶」させるのは容易なことではない。しかし正確には、記憶させることよりも、売り場で思い出してもらうことが重要だと考えるべきだろう。
●テレビCMで見るのと店頭で見るのとでは、商品のイメージが大きく異なることも多い。そこで「テレビCMでおなじみ!」のようなPOPを店頭に掲示したりもする。
●印象や記憶は、自宅と売り場とで途切れてしまいがちなのだ。このサービスには、その断絶を「解消」あるいは大きく軽減する機能ある。しかも商品への興味がかき立てられている。
●まだ検証には至っていないが、「CMで見たあの商品は、これだったのか」となり、購買が促進されるであろうことは想像がつく。記事は「最終的に消費を後押しする効果を狙う」としている。
●告知から購買に至るまで、「欲求」や「記憶」をつないでいくことは、マーケティング上での重要な課題だ。そのためには「断絶」を排除していく必要がある。「続きもの」の広告映像配信は、それ貢献するだろう。
■ 教訓 ■
あなたの企業では、自社の商品の告知と顧客の購買行動との間にある断絶を、どのように埋めていこうとしているだろうか。断絶を取り除くために、顧客の「欲求」や「記憶」をつないでいく仕組みを考えてみよう。
(経営戦略考より)
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