アイルランド、EUに金融支援要請

財政難のアイルランドは21日夜、欧州連合(EU)に対し、金融支援を要請した。欧州メディアによると、支援は国際通貨基金(IMF)とあわせ800億~900億ユーロ(9兆2千億~10兆4千億円)にのぼる見通し。ギリシャに続いて2カ国目の救済となり、EUは財政危機の封じ込めに必死だ。
 アイルランドのカウエン首相は記者会見で「支援要請を決断し、EUから認められた」と語った。EUは各国財務相による声明を発表し、「EUとユーロ圏の金融市場の安定を守るために支援を実施することを保証する」と述べた。
 支援はEUIMFが設けた7500億ユーロ(86兆円)の緊急融資枠「欧州金融安定化基金」から行われる見通し。5月にギリシャへの1100億ユーロの支援を決めたときに同時に作った制度で、発足からわずか半年で使わざるを得なくなった。アイルランドを早い段階で救済することで、財政危機がポルトガルやスペインなど他国に広がることを防ぎたい考えだ。
 融資額などは今後、EU、IMF、欧州中央銀行(ECB)の3機関がアイルランドと協議して詰める。アイルランド政府は2011年からの4年間で150億ユーロ(1兆7千億円)にのぼる財政の緊縮策に着手する。12.5%と欧州最低水準の法人税を引き上げるかどうかも焦点になりそうだ。
 アイルランドは人口約440万人の小国で、1949年に英国から独立し、99年の共通通貨ユーロの発足に参加した。低い法人税を武器に外国企業を呼び込み、90年代後半から「ケルトの虎」と呼ばれる経済成長を実現。好景気に伴い、金融機関不動産開発も活発化した。
 しかし、08年の金融危機の傷がとりわけひどく、成長率は09年にマイナス7%に落ち込んだ。10年9月末に大手銀行への追加公的資金注入を決め、今年の財政赤字は国内総生産(GDP)比で32%にのぼる見通しになった。
 ここにきて市場に不安が高まったのは、ドイツが10月に入って将来の加盟国救済では投資家の負担も求めるべきだと主張したことが影響している。アイルランドの10年物国債の金利は11月半ばに一時9%に達し、独仏英の財務相が「当面の救済では投資家の負担を求めない」との声明を出すなど対応に追われた。
 EUが結局、投資家に負担を求めない方法でアイルランド救済に動いたことで、市場には安心感が広がった。統一通貨ユーロは22日午前の段階では、ドルや円など他の主要通貨に対し上昇している。(asahi.comより)

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