エンジェル投資総研ブログ集26
中小企業白書2003によると、会議の形式がどのように従業員増加率に影響しているかということについて調査しています。それによると、専制君主的に誰の意見も聞かず一方的に自分の意見だけを押し通すような企業経営者だと、従業員増加率が減少している一方、経営者と従業員の双方が納得するまで話し合う、いわゆる「合議制」を取り入れている会社は、従業員増加率を大きく伸ばしているという結果が表れました。
「企業は人なり」という言葉がありますが、人を育成してこそ初めて企業としての真価が問われるようになり、従業員とどのように対話していくかということが、企業経営者として求められる資質ということになります。
ただ、一方で話は大きく変わりますが、宇宙で民主主義は通用しないということを、日本人宇宙飛行士の若田浩一さんはおっしゃっております。合議制と民主主義は若干異なりますが、要は宇宙という人間の住めない環境下で民主主義的に一歩間違った判断をすると、取り返しがつかない、つまり全員が命を落とすという危険がすぐそこに迫っております。こうしたときに、キャプテン(経営者)の冷静な判断のもと、クルー(従業員)の命を守るために、瞬時に専制的な判断が求められる時があります。そのとき一番必要なものが、キャプテンとクルーの信頼関係ということになります。
信頼関係とは、一日にして出来上がりません。それまで綿密に協議して、お互いの素性の素性まで理解しておく必要があるのではないかと考えられます。キャプテンがキャプテンとして決められることは「非日常的」な決定事項に限り、「日常的」な決定事項は、クルーとお互いが理解しあうまで話し合う、そうした形で信頼関係を醸成し、危険な任務も無事こなすことができるのではないかと考えられます。
企業経営する上で自分と同じくらい会社のことをどれだけ考えてくれる社員を育成するか、もしかしたらそれが経営者としての最大の仕事なのかもしれません。
水落雄一郎
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