エンジェル投資総研ブログ集19
前回、自己資本の調達方法に関して記載いたしました。今回は他人資本と日本では呼ばれる金融機関からの借り入れについて考えてみたいと思います。
金融機関からの借り入れに必要なもの、それは「担保」です。通常の場合、借入を行いたい金額の140%程度の担保価値がなければ、金融機関は融資に応じてくれません。たとえば1億円の担保価値がある場合、最大7千万円までであれば融資に応じてくれる可能性があるということです。
しかし、こうした融資体制は一昔前のものになりました。金融機関は金融庁から「リレーションシップバンキング」という営業スタイルを行うように求められており、こうした営業スタイルを行っていない場合、最悪の場合、行政指導が入ることがあります。
2003年、小泉内閣の下において、中小企業への融資の円滑化と地域金融機関の経営体質の両方を強化する必要が求められました。しかし、この2つは相反するもので、中小企業への融資を強化して金融機関の不良債権が発生してしまった場合、金融機関は国際的な取り決めにより、最悪の場合営業ができなくなる、つまり倒産するということになります。一方で金融機関の財務の健全性ばかりを考えると、中小企業にお金が回らなくなり、地域経済全体が疲弊してしまうという難しい判断を迫られました。
そこで、当時の竹中金融担当大臣は、リレーションシップバンキング(以下リレバン)という営業手法を金融機関に徹底するように求めました。リレバンの最大の特徴は、担保に過度に頼らない融資体制であるということです。担保に頼らず何を基に融資するのかというと、「事業の将来性」と「経営者の資質」の情報を得て融資を実行するのです。
つまり、事業の将来性と経営者の資質さえ金融機関に証明できれば、融資を受けることが可能になるかもしれないというわけです。
ただ、金融機関の借り入れは、当然のことながら約定どおりに返済する必要のあるお金です。通常の場合、自己資本による資本の調達よりもコストのかからない資本の調達方法ですが、約定どおりに返済できない場合、一気に資本全額を引き上げられる可能性のある資本でもあります。
前回も記載しましたが、経営者にとって最初で最大の仕事がこの資本政策です。資本政策に成功すればあとは経営資源を最大限に使って利益を出すことができる可能性が一気に広がります。資本家、金融機関双方を納得させることのできる事業計画書を策定することが、起業成功の最大の試金石ではないでしょうか?
水落雄一郎
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