エンジェル投資総研ブログ集8
前回のブログでは、「利」を供することの重要性に関しまして記載させていただきました。今回はその「利」よりも重要な「徳」について記載したいと存じます。
この「徳」の重要性について説いているのが「利」の重要性を説いた韓非子です。韓非子では次のように書かれています。
『聖人の治は民に蔵して府庫に蔵せず』
聖人とは、徳の高い人を指し、府庫とは自分の財布のことを指します。徳の高い人は民、つまり社会に還元し、自分の私利私欲を追求するものではない、という考え方です。
ここで「徳」について考えてみたいと思います。徳が高い人とはどういった人のことを指すのでしょうか。これは儒教では、仁・義・礼・智・信といういわゆる徳目と呼ばれるものや、古代ギリシアでの知恵・勇気・正義・節制、キリスト教における信仰・希望・愛などが「徳」と呼ばれるものです。言い換えれば広い意味での人間愛、正義、知恵、信頼のある人物が徳の高い人ということになります。
人を愛し、正義感にあふれ知恵あるものであれば、社会を信頼し社会に還元する、つまり「情けは人のためならず」といったところではないでしょうか。
同様のことをドイツの資本主義経済学者 マックス・ウェーバーも言っています。
『大いに働け 大いに儲けよ 大いに蓄えよ そして 大いに施せ』
日本語の経済は、「経世済民」が語源になっています。この経世済民のもともとの意味は、「経世」とは世の中を治めること、「済民」とは民を済(すく)うことを指します。ウェーバーの場合、経済学者ですので、徳が云々(うんぬん)ということは言っていませんが、施すこと、つまり社会への還元の重要性を説いています。
起業家にとって利潤を追求することも重要ですが、その利潤を大いに従業員、社会に還元することがより重要であるということではないでしょうか。
水落雄一郎
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