短期契約の駐車場運営 > 「発想」と「実現」の間のギャップを埋める
短期契約の駐車場運営
情報源:日本経済新聞 2008.03.04【15面】
◆ビジネスには、時間との戦いという面がある。時流に乗り遅れないようにすること、あるいは競合にいかに先んじるかといったことは、常に忘れてはならないことだ。
◆さらに大切なのは、「時は金なり」という側面だ。起業や新規事業の立ち上げにあたり、いかに早く黒字化するかは、重要な問題だ。グズグズしていると、資金がどんどん流出していく。時間=お金だということを、痛切に感じさせられる。
◆その点、会社を辞めずに取り組む「週末起業」は有利だ。生活資金については、勤務先の給与により保証されている。大きな赤字は困るが、多少のことなら、何年でも事業を継続できる。
◆「二足のわらじ」の週末起業は、時間不足という悩みがあるのだが、上述の観点からすれば、時間経過=資金流出という心配はない。立ち上げてから収益が上がるまでの時間がかかるようなビジネスは、独立起業ではなく、週末起業で取り組む方が適している。
◆一方、時間をムダに過ごすことは、機会損失を招いていると考えることもできる。だから、「○○を遊ばせておくのはもったいない」といった発想も生まれる。
◆4日付けの日本経済新聞に「駐車場運営会社は改正建築基準法を受け、ビルなどの建設予定地を持つ土地オーナーからの3カ月-1年半の短期契約の獲得に力を入れている」という記事が掲載されている。
◆背景として、建築確認の審査期間が長引いていることがある。せっかく土地を確保しても、なかなか着工ができない。それまでの期間、土地を遊ばせておくのはもったいない。だから、「暫定的に駐車場で運用したいという声が増えている」のだそうだ。
「発想」と「実現」の間のギャップを埋める
●「時間」の要素をアイデアに採り入れると、新たなビジネスアイデアが生まれてくるものだ。今回のように、通常は「長期」なのだが、それを「短期」にしてみる、といった具合だ。
●たとえば「ウィークリーマンション」。敷金・礼金を払って月単位で借りるのではなく、敷金・礼金なしに1週間単位で借りることができる。実際には2日間から契約できるようだ。
●「家事代行」も同様だ。かつては住み込みのお手伝いさんを雇ったりしたものだが、週に1日、2時間程度といった利用の仕方ができるようになった。
●「長期」では取り込めなかった需要も、「短期」にすれば、それが可能になる。野菜や惣菜を一人前に小分けして売るようなもので、文字とおり「スキマ」の市場を獲得できる。
●もちろん、その発想は良しとしても、それで採算が合うかどうかは検討しなければならない。記事の駐車場の場合、料金精算機械ではなく有人管理にしたり、地主との交渉で、賃料を「通常の半額程度に抑え」るといった工夫をしている。
●そもそも今まで「長期」しかなかったのは、「短期」では採算が合わないからだったわけだ。今回の記事の取り組みには、単純に時間を短くすることにとどまらず、過去の「常識」への挑戦という意味合いも含まれることにも着目しておきたい。
●「ちょっとしたアイデア」と片付けられてしまうケースも多いのだが、発想することと、それを実現することの間には、大きな隔たりがある。その「隔たり」を乗り越える取り組みなしに、新発想に基づくビジネスが実を結ぶことはない。
■ 教訓 ■
あなたの企業が提供している商品・サービスについて、その「時間」の要素を変えてみるとどうなるだろうか。顧客にメリットをもたらすのなら、ぜひ実現を考えてみたい。過去の「常識」への挑戦となることを覚悟し、工夫を凝らしてみよう。
(経営戦略考より)
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