研修施設を新設する企業が相次ぐ > 「本気」は「形」に現われる
研修施設を新設する企業が相次ぐ
情報源:日本経済新聞 2008.03.03【15面】
◆さまざまな中小企業の経営のお手伝いをしてきた。コンサルタントとして、いろいろなアドバイスをするのだが、必ずしもそれらのすべてが受け入れられるわけではない。
◆コンサルタントにアドバイスされたことを理解し、ほとんど納得していても、やはり実行するには勇気がいる。そのような経営者を励ますのもコンサルタントの役目だが、最終的には経営者が判断することだ。
◆コンサルタントは経営者に選択肢を提供するのであって、何かを強要する存在ではないし、その立場にもいない。自社の現状を最もよく理解しているのは経営者であり、コンサルタントとしてできるのは、経営者の意思決定をサポートするところまでだ。
◆経営者がコンサルタントのアドバイスを受け入れ、本気で取り組む気持ちになったかどうかは、自社の組織・人事の変更に着手したかどうかでわかる。
◆だから、経営者から組織・人事の相談を受けると、「いよいよ本気になってくれたんだな」と感じる。組織変更や人事異動は、経営資源の配置と配分を変えることを意味し、トップだからこそ出来る戦略的打ち手なのだ。
◆何事も「本気」で取り組まなければ、成果など上がるものではない。経営者の「本気」度は、組織変更・人事異動という形で顕在化する。気持ちは必ず、形になって現れるものなのだ。
◆3日付けの日本経済新聞に、「多数の従業員を集めて教育を実施する研修施設を新設する企業の動きが相次いでいる」という記事が掲載されている。それらの企業は、人材育成に「本気」なのだということが感じられる。
「本気」は「形」に現われる
●記事には、具体的に5社の事例が取り上げられている。業種はバラつくが、共通しているのは、いずれも売上や従業員数が急激に拡大しているということだ。
●企業の成長に伴い、人材の育成が急務となってくる。人材が順調に育たなければ、それが成長の足かせとなる。「本気」になって取り組まなければ、成長機会を逃してしまうわけだ。
●どの企業でも、人材育成が重要だということは理解している。しかし、どこまで「本気」かと言えば、その温度差は大きい。今回の記事のように、自前の研修施設をつくるのは、かなり「本気」度が高い。
●まず「形」から入ると言うが、研修施設という器を作ることも、その一つと言えるだろう。組織や人員体制を変えることも、「形」を整えることを意味する。
●私が以前に在職した英語研修会社では、リクルート部という部署をつくり、求職者を迎え入れたり、面接をしたりするスペースを設けた。企業規模からして分不相応という意見もあったが、結局、その取り組みのおかげで急成長を遂げることができた。
●今回の記事で事例して挙げられた企業は、研修施設をつくる前は、教育といえばOJTが中心で、集合研修をする場合でも、社外の会議室を借りて実施していたという。このような取り組みでは間に合わないという意識があったのだろう。
●「仏作って魂入れず」では困るが、「形」も整えずにお題目ばかり唱えていてもしょうがない。「本気」は「形」に現われる。自社の施策への取り組みが「本気」かどうか、まずは「形」を作っているかどうか、点検してみるとよいだろう。
■ 教訓 ■
あなたの企業では、自社の重点施策としてどのような事柄を打ち出しているだろうか。その施策に伴い、どのような「形」を整備しているだろうか。「形」に現われない施策は、「本気」ではないということだ。今一度考えなおし、どのような「形」をつくるか、考えてみよう。
(経営戦略考より)
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