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総支配人の任期を5年に延長
情報源:日経産業新聞 2008.02.19【23面】
◆企業の成長を顧客と商品の切り口で考えるなら、既存顧客に新たな商品を売るか、既存商品を新たな顧客に売るか、いずれかの方向を探ってみると考えやすい。
◆一般的には、既存顧客に新たな商品を売る方が、取り組みやすい。既に取引上の信頼関係が出来ているからだ。もう一つのパターンでは、商談の前のアポとりからスタートしなければならない。
◆信頼関係を新たに構築するのは、容易なことではない。逆に、信頼関係が出来上がっていれば、物事がスムーズに進む。コミュニケーションに至っては、「いつものやつ」で済むから「話が早い」。
◆強固な信頼関係の存在は、競合他社との差別化要因にもなる。付き合いが長いからという情実だけの問題ではない。上述のように「話が早い」という実利的なメリットもある。
◆信頼関係の構築には、ある程度の時間をかける必要がある。一朝一夕にはいかないことが、競合他社にとっては対抗しがたい優位性になり得るわけだ。
◆19日付けの日経産業新聞に、「藤田観光は運営するビジネスホテル『ワシントンホテル』の総支配人の任期を2009年にも5年に延長する」という記事が掲載されている。
◆今までは「3年以内で交代するケースがほとんどだった」というが、「任期延長で地元との連携を強化する」。意図としては、「地方の都市部などで激化している顧客獲得で競争力を高めたい考え」だそうだ。
測定できないものを定量化する
●一つのポストの任期を長くすることは、いろいろな意味で、信頼関係の強化につながる。記事を読んでいくと、先述のような情実面、コミュニケーション効率面のほかのメリットが解説されている。
●まず、任期を長くすることで「総支配人が腰を落ち着けて経営判断できるように」なる。裏を返せば、任期が短い場合、単なる「腰掛け」的な姿勢に陥りがちだということだ。
●本人の意識がどうあれ、周囲は「どうせ腰掛けだろう」という目で見ることにもなる。信頼関係を作るには、程遠い状態だ。記事は、任期が短いことで「施設の改修を先延ばしにしたり、宣伝費を大幅に削ったりして短期的な利益確保に躍起になる」といった弊害があることも指摘している。
●任期の長期化は、地元の「鉄道や観光施設などと連携して旅行商品を企画する」といったメリットもある。そのような連携企画をつくるには、互いのリソースへの知識や理解、さらには信頼関係の存在が欠かせない。
●しかし、信頼関係の程度は、定量的に測定することは難しい。誰もがビジネスには信頼関係が重要だと口にするが、測定できないものはコントロールもできないはずだ。「信頼関係が重要」というセリフも、それではお題目でしかない。
●今回の記事の場合、その「信頼関係」を「任期の年数」に置き換え、定量化したと言える。もちろん厳密なものではないが、「目安」にはなる。
●この手の「目安」としては、たとえば一つの外国語をそこそこ習得するには1000時間の学習が必要だ、といったものがある。この「目安」があることで、学習者は学習計画を立てやすくもなる。
●測定できないものをコントロールするには、このような「目安」に置き換えてみる方法がある。測定不可能とあきらめずに「目安」を設定するのは、一つの知恵だと言えるだろう。
■ 教訓 ■
あなたの企業が重要だと考えていることで測定できないものとしては、何があるだろうか。それを、目安となる測定可能なものに置き換えることを考えてみよう。そうしなければ、重要だと考えていても、お題目で終わってしまう恐れがある。
(経営戦略考より)
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