起業直後の会社が加入するべき保険とは
気になる!起業時の労働保険・社会保険
今回は、起業直後の皆さんが気になる会社の労働保険・社会保険加入について基本から応用まで、前々回に引き続き、社会保険労務士金山経営労務事務所の金山所長にインタビュー。
ガイド:そもそも、労働保険とは何でしょうか?
金山所長:はい。具体的には、労災保険、雇用保険のことを労働保険と言います。労災保険は、業務上・通勤上でケガをした場合、国から保険が給付される制度です。雇用保険は、前回も少し触れましたが、主として労働者が失業した場合に、国から必要な給付が支給される制度です。
ガイド:次に社会保険について教えてください。
金山所長:健康保険、厚生年金保険のことを社会保険と言います。健康保険は、私傷病によりケガ・病気になった場合に国から保険が給付される制度です。労災は業務上・通勤上のケガ・病気の場合に給付されますが、健康保険は私生活でのケガ・病気の場合に給付されます。次に厚生年金保険ですが、老齢・障害・死亡の場合に国から年金が給付される制度です。
ガイド:起業直後でも、必ず労働保険、社会保険に入らなければならないのですね。かなり負担が多そうですが…。
労働保険・社会保険の負担額はどれくらい?
引き続き、気になる労働保険・社会保険の負担額について伺います。
ガイド:必ず入らなければいけない保険とその条件および負担額について聞かせてください。
金山所長:ほとんどの会社で、1人でも労働者を雇い入れた場合は、労災保険に加入しなくてはなりません。雇い入れるのが、パートやアルバイトの方々でも必ず加入してください。雇用保険は、1週間に働く時間が20時間以上あって、1年以上会社で働く見込みのある方を雇い入れた場合は、加入義務があります。社会保険は、法人(株式会社等)の場合は、社長1人からでも加入義務があります。もちろん、労働者を雇い入れた場合は、法人は加入義務があります。保険料については、平成20年2月時点で下記の通りとなっております。
・労災保険(一般的な事業):4.5/1,000(全額会社負担)
・雇用保険(一般的な事業):15/1,000(内訳:9/1,000を会社負担、6/1,000を労働者負担)
・健康保険:82/1,000(内訳:会社負担41/1,000、労働者負担41/1,000)
・厚生年金保険:149.96/1,000(内訳:会社負担74.98/1,000、労働者負担74.98/1,000)
※40歳以上の人を雇った場合は、介護保険料(1.23/1,000)も掛かりますので、注意が必要です。
ガイド:労働保険はそうでもないですが、社会保険は負担が多いですね。
金山所長:はい。労働保険の場合、例えば月給20万円の人を雇い入れた場合の会社負担分は、労災保険900円、雇用保険1,200円となります。健康保険は8,200円、厚生年金保険は、14,996円になりますね。これだけ見ると、保険料ばかり掛かってデメリットばかりじゃないか!と思われるでしょう。しかし、会社として保険に加入することで、必要なときに必要な給付を受けられるというのは、労働者にとっても会社にとっても安心です。また、最低限度の福利厚生である労働・社会保険に加入していないことによって優秀な人材が応募してこない場合も多いみたいです。
ガイド:なるほど。保険料がかかるデメリットのみを考えていたのでは、労働者の安全や募集や採用のときに影響してくるということですね。
金山所長:その通りです。それ以外にも社会的な信用上の問題等もありますね。
労働保険・社会保険の届出期限と場所について
保険の詳細が分かったところで届出期限や届出場所について伺ってみましょう。
ガイド:次に労働保険・社会保険を届け出る期限と場所について教えてください。
金山所長:はい。労災保険は、労働者を雇った日(適用事業となった日)の翌日から10日以内に必要書類を会社の管轄の労働基準監督署に届け出ます。雇用保険は、労働者を雇った日(適用事業となった日)の翌日から10日以内に必要書類を会社の管轄のハローワークに届け出ます。健康保険や厚生年金保険の社会保険は、適用事業(法人の場合、事業立ち上げの日)となった日から5日以内に会社を管轄する社会保険事務所に必要書類を届け出ます。一度に複数の手続きが必要になりますので、面倒な場合は、専門家である社会保険労務士に依頼するのも一つの手段かもしれませんね。
ガイド:届出をしなかった場合、何か罰則等はあるのでしょうか?
金山所長:懲役刑や罰金刑があるのはもちろんのこと、場合によっては過去に遡って保険料の支払いや給付の一部を負担させられる場合がありますので、できるだけ早めに加入することをお勧めいたします。
まとめ
企業の義務として入らなくてはならない保険とその仕組みについて、金山所長に詳しく伺いました。皆さんも正しい知識を身につけ、経営者の誠意として社員となる方に迷惑がかからないよう加入しましょう。とは言っても事業とは直接関係無いのに手間のかかる作業です。私の会社では保険系の事務作業は手間がかかるので、専門家の社会保険労務士の方に依頼しています。
(All Aboutより)
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