お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方 ― 知的人生設計入門 (単行本(ソフトカバー)) 橘 玲 (著)

日本は黄金の羽根を撒きながら堕ちていく天使だ。衰退の時代でも、大量の黄金の羽根が零れ落ちている。この羽根を見つけるには「知識」が必要。ほんの少しの工夫で人生は劇的に変わる。


【1】

経済的側面に限れば、人生の目標は経済的独立を果たすことだ。つまり誰にも依存せず、人生を自由に設計できる十分な資産を持つことだ。そうでないうちは、誰かの奴隷になっていることになる。

最短距離で経済的独立に到達するためには、人生を効率的に設計することだ。それにはまず日本人の人生を根底から規定する政治的・経済的要因について知らねばならない。

まず私たちをとりまく世界は、大きく歪んでいることを知るべきだ。国家だけでなく、株式市場も不動産市場も、およそ経済活動を伴うすべての場所に歪みがある。完璧な制度などどこにもない。

その歪みから必然的に恩恵を受ける人と、損をする人が生まれる。この恩恵を受けるために必要なのが知識なのだ。


【2】

人類の歴史に貨幣が登場して以来、お金持ちになる方法は3つしかない。それは1行の数式で表せる。次の通りだ。

資産形成=(収入―支出)+(資産×運用利回り)

この方程式から金持ちになる方法は次の3つしかないことがわかる。

収入を増やす
支出を減らす
運用利回りを上げる

成功の方程式は、純利益を増やし、本業の収益力を向上させること、そして保有している資産を有効活用することだ。その証拠に、世にある金持ち本はすべてどれかに分類できる。

ベストセラー「金持ち父さん貧乏父さん」の内容も例外ではない。


【3】

お金もちになる方法は、すべて方程式の中にある。方程式第1項(収入―支出)は純利益として資産に加えられる。つまり純利益の確保が重要だ。これを確保して初めて資産形成のスタート台に立てる。

第2項(資産×運用利回)は、運用利回りが高ければ資産はそれだけ大きくなることを示す。資産は複利で増えるため僅かな利回りの違いが大きな差になるのだ。

もう一つ「十分な資産がなければ、運用しても大した効果がない」ことを知るべきだ。だが老後は皆、資産運用益で食べていかねばならないのだから、今から投資をして学習することは無駄ではない。

なおサラリーマンが収入を増やす確実な方法は、働き手を増やすこと、つまり共働きだ。世界一住居費の高い国で一人暮らしをすることや世界一人件費の高い国で専業主婦を養うことは究極の贅沢だ。


【4】

「最大の資産は自分の能力だ」という人がいる。自分が1年働いて年500万円の収入を得ているなら、市中金利が1%であなたの能力の資産価値は5億円になる。

しかしいくら自分に投資しても、努力しても成功できる人は限られている。そうなるとその大半は無駄になる。では自分に投資しても効果が上がらない人はどうすべきか?

支出を減らすことは誰にでもできる。これなら確実に純利益は増大するので資産が大きくなる。こうした確実に資産を増やす方法があるのにそれをしない人は資産形成などあきらめたほうがよい。

ただし小遣いを5000円に減額したり晩酌のビールを小瓶にするといったことは家庭が暗くなるだけで効果はない。手をつけるべきは、居費と生命保険だ。

株式売買にも不動産購入にかかる手数料にも注意が必要だ。これは投資のコストだ。これを考えずに投資することはブローカーにお金を寄付しているようなものだということに気づくべきだ。


【5】

一般にサラリーマンが金持ちになれないのは、税・社会保険料のコストが大きいからだ。年収1000万円のサラリーマンの実質税負担は250万円だ。

これで金持ちになれるはずがない。だから金持ち父さんも「サラリーマンは金持ちになれない」と言った。そんな中、サラリーマンが金持ちになる方法は3つある。

1)一部上場企業の経営者になる
2)ベンチャー企業に就職して自社株を購入する
3)仕事を発注した業者からキックバックを受け取る

ただ最も早く確実に金持ちになる方法は、やはり自営業者になり、所得に対して税金を払うことを止めることだ。事業が軌道に乗り、お金が回るようになれば急速に金持ちになれるはずだ。


<コメント>

ベストセラー「ゴミ投資家」シリーズの中心人物で、経済小説「マネーロンダリング」で話題になった著者が、最新の経済動向を盛り込んだ、人生設計の指南書です。

帯には「日本人には役に立たない『金持ち父さん 貧乏父さん』は今すぐ捨ててください」とあります。確かに『金持ち父さん 貧乏父さん』で提唱された方法は税制などの違いから日本では役立ちません。

本書は日本に特化しています。『金持ち父さん貧乏父さん』日本実践版とも言えるかもしれません。

ただ残念ながら本書の提案の多くは、サラリーマンには利用できません。著者によると「日本のシステムそのものが、サラリーマンに「負の側」を歩くことを運命づけているからだそうです。

これも「起業しなければ金持ちになれない」という金持ち父さんの主張と一致するところです。

だからと言って会社を辞めればいいか、というとそうではありません。本書のノウハウの中心は節税にあります。言うまでもないことですが、節税とはゼロから有を生み出す錬金術ではありません。

むしろ節約術です。節約の前に売上げを作る必要があります。会社を辞めればそれは自力で作る必要があります。

その力がない人が会社を辞めると、節約どころか生活できなくなります。だからまず、自力で稼ぐ力をつけることが先です。

そこで、私は会社にいながら起業することを提唱しているのです。退職は起業に成功してからでも遅くありません。独立開業してから本書のノウハウを使えば、あなたは急速にお金もちになるでしょう。

(ビジネス選書&サマリーより)

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このページは、が2008年3月21日 23:46に書いたブログ記事です。

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