ニューエコノミー勝者の条件―ウィナー・テイク・オール時代のマーケティング10則 (単行本) ケビン ケリー (著), Kevin Kelly (原著), 酒井 泰介 (翻訳)

<コメント>

本書にある通り、コミュニケーション技術の進展は、社会を一旦「分化」し、「ネットワーク化」する。

それは、本書で触れる経済の分野にとどまらない。政治、教育、都市計画など、われわれを取り巻くあらゆる分野でこれが進む。

未来を読む解く際に、物事をすべて一旦細かく分け(分散)、これを結びつけてみる(ネットワーク)ことだ。

例えば、携帯電話をひとり一台所有する社会の到来は、家族という概念をどう変えるだろうか。


<本  文>

【1】ニュー・エコノミーとは何か。

今日のイノベーションは、単なる「技術革命」ではなく「コミュニケーション技術の革命」である。そのため我々の生活全般を変えてしまう。経済とて例外でない。

このような変革期に、現状を延長しても、変革後の世界は見えない。そこでテクノロジーに注目し、ニューエコノミーの特徴とわれわれ人間の進むべき道を考てみる。

ニューエコノミーとは「深く広いコミュニケーション」を前提とした経済だ。特徴はグローバルで、無形のものを扱い、ネットワークを形成していることだ。

これは、21世紀前半の50年間続く新しい経済のあり方である。以下、その特徴とそれに対する個人や企業の処し方を述べる。


【2】ネットワーク化せよ

ニューエコノミーでは、半導体チップがより小さく、より安くなる。その結果あらゆる物が知性を持つ。この小さな知性が集まり、つながることで賢くなる。

この場合、知性は分散しているので、パワーは中央でなく現場にある。よって中央のコントロールは極力抑え、現場を自律化し、制御させるべきだ。

このように人や物がネットワークで結びつくのに従い、小さな努力が大きな成果を生むようになる。これにより成功は、努力に比例せず、自己増殖的、幾何学的になる。

小さなネットワークを集め、価値を高め、善循環を構築しよう。うまくいけば、爆発的成功を生む。だが、その予測は不可能なので手当たり次第やるしかない。


【3】ネットワークを肥やせ

ネットエコノミーでは、製品やサービスはますます容易にコピーできようになる。そのため、物の希少性はむしろ価値が減り、数の多さが価値を持つ。増やすが勝ちだ。

例えば、基幹製品を無料化し、人々の注目と関心を集め広めることだ。これにより、一挙に普及させ、価値を高めるのだ。損失は、需要の増加や周辺サービスで補えば良い。

また、ネットエコノミーの進展に伴い、企業の目標は「自社価値」でなく「ネットワーク価値」の向上に変わる。さもなくば、自社もネットワークと共に衰退する。

よって、ネットワーク上の標準化に努め普及させることが重要である。コネクションが強く、オープンで、スタンダード志向なものを志向すべきである。


【4】強みを捨てよ。

あらゆる物事が重層的に関わるようになる。これに伴い中間業者が急増し、中間規模のニッ チが生れる。

また、今もてはやされているイノベーションほど、早く盛りを過ぎる。なぜなら成功したために視野が狭くなり、新たな機会や急激な変化が見通せないからだ。

これを避ける道は、創造的破壊だが、これはなかなか困難だ。なぜなら、既得の長所を捨てる必要があるし、関連する組織がしがらみや足かせになるからだ。新たな組織を立ち上げたほうが良い。


【5】効率性と生産性を捨てよ

従来の工業化社会で重要視された「生産性」は、当然機械的効率の向上とともに改善する。しかし、ネットエコノミーではこの「生産性」より、「関係性」を強化するほうが重要になる。

例えば、顧客と企業の境目は消える。消費者が生産し、作り手が消費することで、企業の趨勢は顧客の賢さに依存するようになる。一方、顧客は企業に対し信頼性の向上を求める。

また、今後は新しい機会を発見し、作り出す方がより大きな富を生むようになる。噴出する機会から、次に成すべき事を的確に選び取ることが、より重要になるのだ。

このようにネットエコノミーは、本来機械の範疇である「生産性」から人を解放し、真の強みである革新性、即創世、想像力の価値を高めてくれるのだ。


【6】新しい資本主義

ニューエコノミーの特徴は、所有権やエクイティーが広く行き渡り、資本の代わりに知識が集積し、オープンな社会が尊重され、経済価値が人生のよりどころになることだ。

かつて資本は資本家に集中していた。しかし、ネットワークエクイティー文化を促進し、無数の個人が無数の企業の一部を少しづつ所有するようになる。

トレンドは4つある。すなわち、グローバル化、所有の拡散、細分化、シリコンバレー式報酬モデル(ストックオプションなど)の世界化だ。

いずれにしても、ネットワークは不均衡、細分化、不確実性、激動、相対主義などをもたらすので、われわれは意味や価値のより所をテクノロジーに依存せざるを得なくなる。

(ビジネス選書&サマリーより)

ブログ村 起業・独立
人気ブログランキングへ

エンジェル投資総研は、シードマネー集めに難航している起業家に対し、投資・融資をしてくれるエンジェル投資家を募集し、出会いの場を創出しています。
スタートアップ期における創業資金調達先として、大口融資高額融資エンジェル投資総研をご利用頂き、アーリーステージからの脱却を図ってください。

トラックバック(0)

このブログ記事を参照しているブログ一覧: ニューエコノミー勝者の条件―ウィナー・テイク・オール時代のマーケティング10則 (単行本) ケビン ケリー (著), Kevin Kelly (原著), 酒井 泰介 (翻訳)

このブログ記事に対するトラックバックURL: http://www.angel-laboratory.com/blog/mt-tb.cgi/89

コメントする

このブログ記事について

このページは、が2008年3月 9日 04:54に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「身体データの管理で変わるアパレル店の商売方法と収益構造」です。

次のブログ記事は「開発者が明かすディズニー・モバイルの秘密――夢と魔法の世界を手のひらに」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。