死に筋商材が滞留するドロップシップ流通と迷走する卸業界

レストランや居酒屋ではいつも多彩なメニューが揃えられていて、我々の目と舌を楽しませてくれる。新鮮な食材とプロの料理人の腕により、家庭ではあまり食べられない料理が味わえるのであれば、高い料金を支払っても納得がいくと考える消費者は多いことだろう。ところが厨房の奥ではレトルト食品や冷凍食品が頻繁に使われていたりもする。もちろんすべての飲食店が使っているわけではないが、冷凍野菜を解凍するだけのサラダや、レトルトパックを温め直すだけの麻婆豆腐など、今ではあらゆる種類の業務用インスタント食品が揃っていて、アルバイトの店員でも簡単に調理ができるようになっている。

そんな飲食店の裏側を覗いてしまえば興ざめだが、業務用食材は専門の卸業者でしか扱っていないために、これまでは消費者の目に直接触れることはなかった。ところが最近では一般の消費者でも入店が可能な業務用スーパーが登場したり、ネットで業者向け食材を個人売りする卸業者もある。表向きは“業者専用”となっていても、その実態は卸業者が消費者をターゲットにした小売ビジネスを展開しはじめているのだ。

またeコマース業界ではショップが無在庫で商品を販売できる「ドロップシップ」という業態が登場していることはすでに紹介した通りだが、これも新種の卸ビジネスと解釈することができる。ドロップシップ業者が商品を供給するショップはプロばかりではなく、アフィリエイト手数料を稼いでいるような個人のショップも含まれている。無料または少額の会費を払うことだけで、後は特別な審査などなく小売会員として登録することができるため、小売業におけるプロとアマチュアの垣根は事実上無くなっているのだ。

本来、業者用の商材を仕入れるのは限られたプロのバイヤーのみであったものが、このように最近ではアマチュアでも一定の条件をクリアーすれば参加することが容易になっている。その背景には卸業者が新たな販路や顧客を開拓している状況が伺えるが、その新しい試みが必ずしも成功しているわけではない。欧米では既にドロップシップは負け組ビジネスとの見解も出始めているが、その真意を理解するためには卸業界でいま何が起ころうとしているのかを知らなくてはならない。

この記事の核となる項目

 ●ブレイクするドロップシップ業界の裏側
 ●ドロップシップによるオンライン販売の仕組み
 ●米国に流れるドロップシップの裏流通ルート
 ●過渡期にあるeコマースのビジネスモデルと物流問題
 ●メーカーが築こうとする自社流通網の特徴
 ●問屋流通から脱却したゲーム業界に学ぶ
 ●プロとアマチュアの差がなくなるネット販売とメーカー側の思惑
 ●eコマース市場成長への鍵を握る「商物分離」の流通構造とは
 ●ドイツ発キャッシュ&キャリーに学ぶ会員制販売モデル
 ●流通業の新業態「ホールセールクラブ」の特徴と問題点
 ●中小業者に的を絞ったドイツ卸売業者の新ビジネス
 ●卸業者とも小売業者とも異なるバイイング・グループの台頭

(JNEWS.COMより)

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このページは、が2008年2月26日 04:07に書いたブログ記事です。

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